乳がん後の運動、水泳

最近まで、乳がん患者はがんの治療後、安静に努め、身体活動を避けるように医師から言われること主でした。さらに、買い物袋やハンドバックさえも患側では持たないように指導されて来ていました。

しかし、新たに研究が進みACS(米国がん学会)の「がん生存者の栄養と運動に関するガイドライン2012改訂版」によると、がん治療中に運動することで、身体機能、倦怠感などが改善する可能性があるばかりか、運動によって化学療法の完了率が上昇すると示されています。また、再発率も減少するという研究結果があります。

また、

「乳がん患者には治療の全段階においてエクササイズを実行することを推奨すべきであり、エクササイズ推進にむけて種々の障壁を取り除くべきである」

と述べています。


【外科手術の影響】

 

片側であっても、両側であっても、乳房切除術であっても、乳房温存術であっても、ほぼ全ての患者は同時にリンパ節の切除を受けます。そのリンパ節切除で起こりうる副作用が

「リンパ浮腫」です

リンパ浮腫はリンパ節が失われたために排出されないリンパ液が溜まって腕が腫れ、痛みを生じる症状です。

これを「運動していいのか?」と感じると思いますが、先ほどもお話ししたように、

  • 8ポンド以上のものを持つ
  • 反復動作は控える

といった指導は「誤り」であると明らかにされました。

ストレッチングと低強度の前進的レジスタンストレーニングを用いると、リンパ浮腫の諸症状を悪化させずに、治療的介入が可能(関節の動く範囲の拡大)が可能であったと結論づけています。


【水泳のすヽめ】

水泳は、水中を動くことで受ける抵抗を利用する優れた有酸素運動です。さらに、水平姿勢をとることで、血流量を増やし、臓器系への酸素運搬を増やすのに優れた手段と考えられます。
軽いストレッチングを行いながらの自動抵抗運動(水による抵抗)となるので、無理なく関節可動域の拡大が測れます。

このようにいいことずくめの水泳ですが、注意点もあります

化学療法によって、免疫系がダメージを受けているので
*プールが混んでる時間帯は避ける
*インフルエンザや風邪が流行している時期は避ける

皮膚の炎症を起こしている場合
*塩素処理された水が悪化させる危険性がある

ということもありますので、医師と相談して運動に取り入れると良いかと思います。