関節リウマチに対するストレングス&コンディショニング

【リウマチとは】

関節リウマチは間接法の内膜が侵される、慢性の全身性多関節炎症性疾患と説明されます。

ただの炎症?

と思うかもしれませんが、この炎症が関節周辺の組織全体へと広がり、骨や軟骨のびらんや破壊をもたらすことが知られています。
それにより、リウマチといえばの「関節変形」が生じてきます。

なんと、アメリカ人のリウマチの罹患者数は130万人にも及び、その数は年々増加しているということです。


【病因】

実は原因はまだ解明されていません。しかし、現在の理論では発症の引き金となるいくつかの事象は指摘されています。遺伝的に影響されやすい素因の人が感染症にかかると、関節を攻撃する免疫反応が起こります。この反応により直接的または間接的に患部の関節包、骨及び結合組織が破壊されるようです。

正常な関節

▶︎滑膜炎(滑膜の炎症・肥厚) 骨と軟骨への侵食

▶︎パンヌス形成(滑膜繊毛上皮) 軟骨の破壊が進み、骨が露出し凹凸となる

▶︎繊維性強直 繊維性結合組織が関節内へ侵食してくる

▶︎︎︎骨性強直 繊維性結合組織が骨化し、関節でなくなる

という進行段階があります


【エクササイズの種類】

関節リウマチ患者の特徴として、

・有酸素性能力が低く、身体活動を避ける傾向がある

・うつ傾向

が挙げられます。それらを考慮した運動が必要となります。

○水中トレーニング

温水環境であれば、関節負荷の軽減に役立ち、関節に対する荷重負荷も軽減される。特に地上で荷重負荷が過剰となってしまうと、関節損傷を悪化させてしまう危険性があるため、水中トレーニングは有効である。

○レジスタンストレーニング

低強度〜中強度のレジスタンストレーニングは関節リウマチにとって有益であるという研究結果が多数報告されている。しかし、関節の不安定性と関節可動域の不足は障害の危険性を高めるため、コントロールが不十分となってしまう動作や衝撃の強い運動は避けるようにする必要がある

○ストレッチングと筋膜リリース

関節周囲の軟部組織の正常化・循環改善は非常に重要となる。筋膜・筋の痛みと緊張を軽減しながら関節の動きの正常化を図ることができる。


【栄養面の注意点】

リウマチ患者は、慢性的な炎症症状のため、リウマチ性の悪液質、筋力の低下を生じる。そのため、適切に栄養を摂取する必要がある。

また、慢性炎症に対しての栄養摂取も心がける必要がある。特に抗炎症作用の強いオメガ3脂肪酸の摂取が有効であるという研究が示されている。
オメガ3脂肪酸は、青魚・くるみ・えごま油・亜麻仁油・緑黄色野菜・豆類に含まれている。


リウマチは慢性炎症性疾患であり、血流性・関節性の問題であるため、全体とそれぞれに対し、進行を遅らせる・止めることを目標に管理をしていくことが重要である。

常に痛い、どうする

最近、「慢性疼痛」にどう対応するべきか?ということが話題になっています。

「痛みの定義」は

「実際に何かの組織損傷が起こった時、あるいは組織損傷が起こりそうな時、あるいはそのような損傷の際に表現されるような「不快な痛覚体験」及び「情動体験」である。」

となっており、器質的な問題だけでなく、心理的な問題も含む病態として扱っています。実際に、器質的な問題がない人も「痛み」を感じている人が多くいます。


【痛みの種類】

・急性痛(侵害受容性疼痛)

・神経障害性疼痛

・混合性疼痛

・心因性疼痛

があります。慢性疼痛というと、これらの「痛み」が3ヶ月以上続いている状態と広義では解釈されています。

今回は、「概論」として大きくお話をしていきます。


さて、常に痛い状態、慢性疼痛状態はどうなっているかというと、単純な器質的な問題だけではありませんでした。そのため、

*biopychosocial model   engel 1989

上記で表すように、

・生物学的要因

・心理的要因

・社会的要因

がそれぞれ関連しあって、health健康に問題が生じ、慢性痛になっていると考えられています。こららの要因が複雑に絡み合っているため、慢性疼痛からの脱却は難しいとされています。


国際疼痛学会で既に

「生物学的因子と一緒に、心理学的及び社会的因子を含んだ治療を行う」というモデルを推奨しており、

厚生労働省の「慢性の痛み対策研究事業」の指定研究でも、全国11大学病院を拠点に、慢性痛の治療に対して、診療科を横断した学際的な痛みセンターを構築することが求められています。


【治療の戦略】

実際に、慢性疼痛の方を診させていただくと、「筋骨格系の問題」を生じていることがほとんどです。そして、そこからアプローチしていくことが一般的にはスムーズではないでしょうか?

筋骨格系の痛みを解消することで、慢性疼痛の方の「痛みに対する歪んだ認知」を変容することができます。

「あっ、痛みが減りました」

「この動きが痛くなくなりました」

「こうしていると痛くないです」

などの反応が出てくると、心理的要因に対しても治療が進んできているということになります。

そこで運動を習慣化していくと、慢性的な炎症も解消されていきます
http://beinform.org/category/慢性炎症/


なかなか筋骨格系の問題が解消されず、慢性痛に悩んでいる方がいらっしゃったら、まずは動いてみることです。

実際に、慢性痛の一番の問題点としてQOLの低下が挙げられます。QOLとはquality of life の略で、生活の質のことです。そこを低下させてしまうと、どんどん悪循環に陥ってしまいます。

痛いから動かない▶︎動かないから動けない

ではなく、

痛いけど動いてみる
▶︎慢性炎症が軽減される
▶︎動けるというポジティブな意識が出てくる
▶︎心因的な要因・社会的要因から生物学的な要因へのいいフローが起こる

という影響が生じます。

心理学的にも、「行動を起こすことは難しいですが、動いてしまうとそうでもない」ということがあります。
勉強にしても、掃除にしても、ジョギングにしてもそうですよね。

まずはアクションを起こしましょう。

そして、生物学的、社会的、心理的な要因それぞれの悪循環を絶ちましょう

運動不足と肥満による慢性炎症が死を招く パート2

「肥満」「運動不足」とは切っても切れない仲です。

少し太ってきたな〜運動しようかなぁ から始まり、
▶️体力落ちているため、すぐに運動終了、そして続かない・・・
▶️さらに肥満化・・・という負のループに陥りやすいですよね

で、なんだかんだで太っていって、運動不足になっていってしまうと・・・

しかし、先述しましたが、慢性炎症は血管の問題や糖尿病のリスクが格段に上がってしまいます。そして、「運動不足と肥満はそれらをさらに悪化させてしまいます!」
運動不足と肥満はシンプルに糖尿病・血管の問題をも引き起こすので、

「運動不足・肥満」と「慢性炎症」はそれぞれ助け合って、身体を破壊していきます。


「脂肪組織」

脂肪組織とは、「余ったエネルギーを身体に蓄えておく」という役割が有名です。そして、それでしかありませんでした。しかし、今日ではかなり多くの役割を担っているとい考えられています。(実は一種の内分泌組織と考えられている)
さて、人間が脂肪を蓄えるには限度があります。細胞が肥満の限度に達した時、

・脂肪組織内の脂肪細胞数の増加

・異所性の脂肪貯蔵

という結果が生じます。

この「異所性の脂肪貯蔵」が大きな問題!通常貯蔵される、「筋肉」「脂肪組織」以外の部位に脂肪を貯蔵してしまいます。これがいわゆる

「内臓脂肪」

というやつです。この脂肪細胞から「炎症誘発物質」が分泌されてしまいます。
このように、内臓脂肪は皮下脂肪よりも多くの健康リスクを招いてしまいます。


「運動と炎症」

「運動」というと、微細損傷などを生じ、炎症を起こすんじゃないの?と考えがちですが、多くの作用から慢性的な炎症を軽減する作用があります。実際、習慣的に運動行う人は慢性の炎症レベルが低く、炎症誘発物質(CRPなど)の値も低くなっています。

運動による炎症を抑える作用は、

1:「異所性脂肪」の減少を促すことができる

2:炎症誘発性サイトカインの産生と分泌を抑えることができる

3:内因性抗酸化防衛能が拡大し、炎症状態を軽減することができる(筋肉から出る活性酸素種と反応性窒素種の放出を減少させる)

という効果があります。
確かに、運動により炎症症状はある程度出現しますが、それを補う以上の効果が運動によって得られるということです。

では実際、どんな運動がいいのでしょうか?


「炎症対策のための運動プログラム」

運動といっても、大きく分けて

・有酸素運動 (ランニングや自転車、ヨガなど)

・無酸素運動 (ジムでの筋トレ、ダッシュ、ラダーなど)

があります。

実際、無酸素運動の中でもレジスタストレーニング(マシントレーニング)では抗炎症作用は見られなかったとようです。

有酸素運動による抗炎症作用が大きく発見されており、特に「中等度」での運動が効果があるようです。

「スポーツ選手は早死にする」というように、身体に負荷をかけすぎることは、身体が酸化してしまって良くないとわかっています。なんと平均10歳も寿命が違うようです。

趣味でのスポーツでは、結果ばかりを追わず、健康な身体を気分良く作るという意味で

「しゃべりながらできる程度の運動」

を推奨します。

なんだかんだで、昔から言われているように

太り過ぎは良くない

適度な運動をしましょう

でまとまりますね

 

運動不足と肥満による慢性炎症が死を招く パート1

「炎症」は免疫系の重要な機能です。
「組織の修復のための炎症」というとイメージがつきやすいのですが、その炎症はあくまで急性期の短期間のものとなります。

「炎症」の定義は
’傷害あるいは感染に対する組織の局所的な反応’ となっています。

急性の感染や傷害に反応して、免疫系は免疫細胞を劇的に増加させて、タンパク質を作り出すことで反応します。
慢性炎症というのは、その急性の状態まではいかないが、正常よりも高い値でCRPなどのタンパク質が血漿中に慢性的に存在するという状態です。


「炎症とアテローム性動脈硬化症」

アテローム性動脈硬化症とは、動脈の内側に粥状(アテローム性)の隆起(プラーク)が発生する疾患です。それにより、血管の内径を狭めることで血流障害を起こします。アテローム発生は傷ついた血管内における脂肪の蓄積のためと考えられてきましたが、現在では「炎症免疫活動の結果」として捉えられています。そのため、慢性炎症が動脈硬化の主要なリスクとして捉えられています。動脈硬化は、脳に栄養を送る血管でも、心臓血管でも、もちろん四肢への血管でも起こり得ます。


「炎症と代謝性疾患(糖尿病など)」

糖尿病というと「インスリン抵抗性の増大」だが、炎症はインスリン抵抗性を生じされる重要な因子となっている。
血糖値が食後に上昇するにつれ、インスリンを作り出す膵臓の細胞が刺激され、インスリンを産生して血中に放出します。それらを、なんだかんだありまして・・・濃度勾配の下方となる筋・脂肪の細胞(筋が約80%とほとんど)にブドウ糖を取り込むことになります。
炎症は、この伝達プロセスを妨げ、筋肉へのブドウ糖取り込みを阻害してしまいます。


ここまでで、血管系の疾患、糖尿病が慢性炎症により生じやすくなっているのがわかると思います。そして、この慢性炎症というのが、「運動不足」「肥満」によりさらに慢性化してしまうことが問題となります。