マイクロフラクチャー手術後のリハビリテーション

膝の「マイクロフラクチャー手術後のリハビリテーション」は一般的な膝の手術後のそれとは大きく異なります。

なぜか・・・

軟骨部にドリルで多数の穴を開ける作業をしているためです。

そのため、術後は関節への荷重をゆっくりと、かつ控えめに導入していく必要があります。この手術自体が新しい方式のため、まだまだ先行研究が少ないのが現状です。


まずは、組織の再生過程を知ることが重要です。一般的に

  • 増殖期(術後1〜4週)
  • 変遷期(術後4〜12週)
  • リモデリング期(術後12〜24週)
  • 成熟期(術後24〜70週)

となります。

組織再生の各段階の長さは、損傷部位の大きさや個人の治癒過程によって異なりますが、上記の再生過程を参考に行なっていきます。


増殖期

ポイントは2つ

  • 適切な膝関節が動く範囲を再獲得し、筋肉による膝のコントロールを再学習すること
  • 修復部位に栄養を送り込み、組織の治癒を促す

そのために、膝周囲に生じている「腫脹」や「浮腫」をできるだけ早期に除去する必要があります。膝蓋骨の動きの改善(膝蓋大腿関節も手術している場合は、膝蓋骨の動きは慎重に行う)や、周囲の循環改善、癒着の除去がメインになります。また、体重負荷も徐々に行います。

膝以外の部位では、患部に体重をかけて使うことがなくなるため、「足」「股関節」「体幹」の機能低下や変な癖がついてしまいやすいです。そのため、「足」「股関節」「体幹」に対してトレーニングを行い、周囲関節の廃用予防、全身・周囲関節から膝への循環改善、を図っていきます。


変遷期

ポイントは2つ

  • 荷重運動・歩行動作の再獲得
  • 膝周囲筋の協調的な働きを再獲得

「増殖期」にどれだけ意識してトレーニングしても、「膝周囲の腫脹・浮腫による協調性の低下」や、「荷重して歩行していなかったための感覚低下」が生じます。特に、膝関節周囲の固有感覚を取り戻せるように、神経−筋の再教育をしていきます。特に、固有感覚は膝のズレを感知したり、バランスをとったりするために非常に重要です。この感覚が取り戻せないまま、負荷量を高めていくとサイド膝を痛めてしまう可能性があります。「早く治さなきゃ」と焦らず、無理な負荷量をかけないようにしましょう。


リモデリング期

この時期のポイントは
「新しいコラーゲン線維が再構築され、強度と耐久性が向上する時期」
ということです。

変遷期からのプログラムに負荷量の増加や、スプリント・ダッシュストップ・方向転換などを加え、徐々に競技復帰段階へと移行していきます。


「成熟期」

競技復帰への本格的な負荷を加えていきます。

  • 術側・非術側との左右差
  • 周囲関節とのバランス
  • 筋肉の反応
  • 変な癖がついていないか
  • 本人に違和感がないか

などを見ていきます。

膝への負担から逃げる人

だけでなく、

膝を過剰に使おうとしてしまう人も多いので注意が必要です。