成長ホルモンを出す睡眠とメラトニンを出す睡眠

睡眠は人間にとって非常に大切なのはいうまでもありません。
回復プロセスに対する睡眠の意味を考えると、睡眠はトレーニングの質や普段の日常生活の質に大きく影響を与えます。

「睡眠不足はパフォーマンスの悪化を招き、モチベーションと覚醒レベルを低下させ、注意力や集中力及び認知力の不足をもたらします。」

一般的には、心理学的回復(学習能力・モチベーション・記憶など)及び生理学的回復(代謝と炎症)には7〜9時間の睡眠が適切と報告されています。さらに、精神的に過負荷となる仕事や、アスリートのように身体的に過負荷となる人の場合だと、さらに多量の睡眠が必要と考えられています。


ホルモンの働き

回復はホルモンを通して促進されます。
成長ホルモンや男性ホルモンは、筋の修復や筋形成・骨の成長、さらに脂質の参加を促進するために欠かすことができません。

メラトニンは、神経伝達物質であるセロトニンから産生されますが、抗酸化作用が多様にあります。また、他の炎症性酵素を活性化させ、細胞を傷つけて組織炎症を促進する酸化ラジウムを無害化してくれます。さらに、免疫機能も神経系と内分泌系を通して調整してくれます。


ホルモンの働きを最大化するには

成長ホルモンは

「22時〜2時が最も活性化される」

と言われていました。しかし現在は、睡眠段階の3・4という深い段階で最も成長ホルモンが分泌されるということがわかっています。


出典:名嘉村 博 「良い眠り 良い人生 3」 『琉球新報』

 

上記の図は、睡眠の深さと時間の経過を表しています。横軸が時間軸で縦軸が睡眠の深さの軸です。
先述した、3・4の段階の深さの眠りは、入眠してから3時間で訪れます。そしてその後は眠りが浅くなっていってしまいます。
ということは、この入眠後3時間に邪魔が入らないことが重要となります。

乳幼児がいるお母さんの疲れが取れないのは、このゴールデンタイムである3時間を邪魔されてしまうからです。

メラトニンは、体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。光によって調節されており、目覚めてから14〜16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌されます。 徐々にメラトニンの分泌が高まり、その作用で深部体温が低下して、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになります。

このタイミングでしっかり眠りを取ることで、ホルモンの働きを最大化した睡眠を取ることが可能となります。


睡眠の質を高める対策

  • 明かりのないくらい室内環境の確保
  • 静かな環境
  • 室温を保つ
  • 寝具や寝着による暑さを避ける
  • 習慣的にいい睡眠をとる(サーカディアンリズムを保つ)
  • 少なくも7時間の睡眠をとる
  • 午後の遅い時間に昼寝をしない
  • 就寝前にカフェインや食べ物を摂取しない
  • 就寝前にコンピューターやタブレットを使用しない

乳児の母は自律神経失調症?

いびきをかくことなく、「いい睡眠」が取れれば、脳の疲れは取れやすくなると言われています。
睡眠中は、疲労回復因子が疲労因子を上回り、「回復時間」になるためです。
睡眠中は、活動量が減少するので、活性酸素の発生とそれによる酸化と損傷が抑えられ、日光からの紫外線による酸化もストップします。

つまり、日中に激しく活動しても、良質な睡眠が取れていれば、脳の疲労は回復するということです。
マウスを使った実験では、丸1日眠らせないでいると、脳で代謝される糖質は約60%まで低下してしまうことがわかっています。
*糖質は神経細胞のエネルギーなので、どれだけ取り込んでいるかが脳のパフォーマンスのバロメーターになります。

このように、睡眠をとるor取らないにより、パフォーマンスがだいぶ変わってきてしまうということです。


「決め手は睡眠開始の3時間」

よく言われますが、「どのくらい眠ったか?」よりも「どのくらい深く眠れたか?」が重要になります。
レム睡眠とノンレム睡眠という言葉は聞いたことがあるでしょうか?
要は眠りには深い眠りと浅い眠りがあるということです。
「1時間30分の倍数で起きた方がいい」などど言いますが、
だいたい1時間30分ごとに眠りのサイクルがあり、浅い眠りになるので寝起きがいいということになります。

しかし、本当に深い眠りは初めの1回目(2回目)のサイクルなのです。
そのため、そこで邪魔されてしまうと疲労が十分回復できません。

乳児のお母さんが、細切れで合わせて8時間寝ても疲労が回復しないのはそれが理由になります。
細切れ睡眠では、脳疲労の回復ができず、いつでも「自律神経失調症」という状態になってしまいます。

ジョコビッチ流睡眠術

グルテンフリーで有名なジョコビッチですが、「睡眠」の重要性も謳っています。実際大部分の人は「睡眠」を軽視しているのではないでしょうか?

仕事が終わらない・・・テストが明日ある・・・時間がない・・・
などで、睡眠時間を削っている方も実際に多くいると思います。

「睡眠」は「運動」「食事」と並ぶ3つの大切な習慣です。
それをないがしろにすることはあってはならないことです。

最高の眠りを得るための7つの工夫を紹介します。

1:いつでも可能な限り同じ習慣を守る
人間には体内時計があるので、いつも寝ている時間に眠りやすくなるようになっている。そのため、「明日は休みだから」などと考えて寝る時間を遅くしたり、「今日は休みだから」と考えて起きる時間を遅くしないように。できるだけ生活パターンを一定にすると、全てが調和してきます。

2:カフェインは取らない
アルコールとカフェインは体内時計を調整する能力を邪魔する代物

3:有益な活動を減らしていく
就寝前はゆったりと時間を過ごすことが重要。思考の瞑想に適した時間なので、ヨガをしたり、読書をしたり、日記をつけたりして過ごすこと

4:世間と隔絶する
就寝前は邪魔な音を遠ざける。ヒーリング効果のあるサウンドマシーンを導入したりして、近所の雑音や、階下から聞こえるテレビの音をシャットアウトする。

5:本来起きるべき時間より早く目覚めたら、横たわったままでいる
早く起きすぎて、「まだこんな時間!」とイライラしたり、ベッドから出て雑用を済ませるのではなく、瞑想に活用して睡眠不足からくるストレスから解放される

6:メラトニンサプリメントを服用する
メラトニンは、長時間のフライトの後に肉体が時差ボケから回復したり、一日24時間のリズムを取り戻したりするために分泌される天然ホルモン

7:朝、目覚めると日光に当たる
日光により体と脳に「そろそろ仕事の時間だ」と知らしめることができる