バネ指と手術トラブル

「ばね指」という症状をご存知でしょうか?指が引っかかるように動かなくなり、力を入れて動かそうとすると急にビョンと動くあれです。

と言ってもわからない人が多いと思いますが、実は、かなり多くの人がなる疾患です。


ばね指は手指屈筋腱(指を曲げる腱)に発生する狭窄性腱鞘炎の一つです。腱鞘や腱になんらかの炎症、肥厚が生じてしまい、正常な腱の滑走が障害された状態とされています。

*日本整形外科学会のhpより引用


原因として、手の使いすぎがあり、頻発する例として、糖尿病やリウマチ・透析患者さんに多いようです。

腱は筋肉よりも柔軟性が低く、血流が乏しい組織です。そのため、血流に問題が生じる基礎疾患を持っている方に生じやすい疾患であると考えられます。


【筋と腱】

「筋肉」「腱」の関係性はご存知でしょうか?

筋肉:収縮組織(伸びたり縮んだりして動きを作る)

腱 :非収縮組織*少しは伸び縮みするが(滑走することで力の伝達をスムーズにする)

という役割があり、筋肉が骨とくっつく部分が腱となります。

手や足などは他の部位に比べて腱の部分が長くなっています。


【治療】

治療法として、手術・保存療法の2つがあります。

手術療法

上記の絵のトンネル部分を切開することで引っかからなくするという術式です。しかし、部位によっては、その部分を切開すると腱の抑えが効かなくなるため、手術できない部分もあります

保存療法:

保存療法は2段構え保方法をとります

1:腱の滑走性をよくする

2:筋腹部分(腱と同一筋)の柔軟性をよくすることと、周囲組織との滑走をよくする

です。

1:腱の滑走をよくする

腱の引っ掛かり部分をなくすために、持続的なストレッチをする必要があります。具体的には指を伸ばす方向へ愛護的にゆっくりとストレッチをかけ、腱の肥厚組織をゆっくりと伸ばしていきましょう

また、腱の様々な動きを出すことで、腱の滑走性を出していきます。

全指で握る
1・2関節を伸ばした状態で、一番近い関節だけで曲げる
猫の手のように、一番近い関節は曲げないで、1・2関節だけで曲げる

などいろいろな握り方をしましょう

2:筋腹・周囲組織との滑走性を出す

筋腹とは、その腱が繋がっている筋肉です。収縮組織である筋腹の柔軟性が低下していると、腱の滑走性に影響を与えます。軽いマッサージを行い、柔軟な筋肉にしましょう。
周囲組織との癒着(硬さ)があっても、腱の滑走が悪くなってしまいます。前腕部(肘〜手首)の間で癒着が生じやすいので、硬くなってしまっている場所をよくマッサージしましょう


「ばね指」とは、腱鞘炎が悪化してなっている状態です。そのため、腱の炎症を抑える必要があります。そのためには、腱にかかっている負担を取り除いて挙げられれば、治ってきます。

最近、「ばね指を2回手術した」との人がいました。手術はトンネルを切開するので、原因が他にあるか(切開した場所が違う)、切開しきれていないかです。

手術を検討する前に、本当に必要かを検証する必要がありそうです。