腱の損傷、腱断裂

今日は腱の損傷とその修復についてお伝えします。

腱損傷というと「アキレス腱」を思い浮かべると思います。実は、腱は身体のいろいろな部位にあります。「筋肉」はイメージつきますよね?

「腱とは、筋肉が骨にくっつく場所」です。筋繊維をくるんでいるのが、「筋内膜」、それが束になって「筋周膜」によって、包まれ、それが束になって「筋外膜」に包まれます。

それらが骨につく場所に向かって、収束していき、細い束となったところが「腱」です。
アキレス腱をイメージするとわかりやすいのですが、
ふくらはぎ(下腿三頭筋)があって、下に行くと細い「アキレス腱」となり踵の骨にくっつきます。
そのため、腱に損傷があると、筋肉による収縮エネルギーが骨へ伝わらなくなってしまうために、「関節運動が生じない」ということになります。アキレス腱断裂だと「蹴れない」ということですね。


「腱の修復」

腱の修復は
「周辺組織からの結合織の侵入」
「腱自体が持つ自己修復能力」

の二つから行われます。以前は、腱には修復機能がないと言われていましたが、今は自己修復機能が証明されました。(intrinsic healing)

その修復過程で生じる問題点は、

1:修復腱と周辺組織の癒着

2:関節拘縮

3:修復腱の再断裂

が挙げられます。特に、「癒着」と「再断裂」は相反するもので、大事にしすぎると癒着してしまうし、動かしすぎると再断裂してしまうというものです。さらに、指などではのばしすぎてしまうと「たるんだ状態」となってしまい、筋の力が伝達しきれないという取り返しのつかない状態になってしまうので注意が必要となります。


「腱の治癒過程」

基本的に、腱の治癒過程は4期に分けられます(腱縫合術後)

1:縫合術直後から3週まで
2:3週から6週
3:6周から12週
4:12週以降

具体的には

3日目:腱周囲組織の細胞増殖・周辺部からの毛細血管の侵入

1週目:腱端間は腱上膜により架橋が形成され、表層からの癒合が開始
繊維芽細胞からの膠原繊維の遊出

2週目:腱端間に線維芽細胞の占める割合が高くなる(ほとんど腱長軸に対して垂直)
3週目:線維芽細胞と膠原線維の配列が腱長軸に対して平行となる(腱中心部ではまだ垂直)
4週目:線維芽細胞・新生膠原繊維は腱長軸と平行
新生膠原繊維と両腱断端の太い腱束と強固に結合
腱中心部は線維芽細胞の占める割合が多い
5・6週目:腱束が正常部分よりやや細いが癒合完成

12週目:正常と区別できなくなる


上手にリハビリができないと、

「周囲組織との癒着が取れず腱が太く見える」

「腱が伸びてしまい、力の伝達が不十分となってしまう」

「関節の制限が生じてしまう」

などということが起こってしまいます。

特に腱についての知識もない人が多いので、ご自分の身体のことについて知るためにも、一度お読みください。

 

では