スポーツビジョン

スポーツと視力の関係は、昔から「動体視力」がよく言われています。
特に野球でのイメージが強いですが、野球に限らず、外的環境が常に変化し、それに対応した動きが必要になるスポーツ全体でかなり重要となります。

野球では、相手ピッチャーの動作、ボールの動きに対応するための「目の良さ」が重要となります。「選球眼」という言葉がありますが、きたボールのコース・スピード・球種を素早く判断し、選球することができれば、「有利なカウント」を作ることができ、駆け引きを有利に進めることができます。

一方、サッカーのような運動では、相手の動きに素早く目を動かす「眼球運動」、ルックアップして見方や相手を素早く捉える「視野」、とっさに判断する「瞬間視」などが重要となります。周りの状況を目で捉えて、認識するという能力は、そこからの判断⇨動作のスピードに関与しますので、相手より一瞬でも早く動き出す必要があるサッカーのようなスポーツでは非常に重要となります。


トレーニングとしては、

  • 基礎的トレーニング
  • 個別的トレーニング

があります

「基礎的トレーニング」とは、スポーツの種類に限らず、視覚からの情報を素早く入手するためのトレーニングです。
具体的には、「眼球運動」のトレーニングになります。
イメージとしては一時期流行った「速読」のトレーニングに似ています。
見る場所を決めておいて、素早く「眼球運動だけ」でそれを見ていくという運動です。一人で行う場合は、両手を伸ばし、親指を立てて、それらを交互にしっかり捉えていく運動をすると良いでしょう。ポイントとしては、「見るときにしっかり止まって見る」ということでしょう。「ピタッと」意識することを忘れずに。

「個別的トレーニング」とは、スポーツの種類によって異なります。

野球では、ボールに数字を書いて、それを読み取るなどと昔からやられているような運動が効果的でしょう。
サッカーでは、「周辺視野」や「視覚からの情報を捉えてからの判断の速さ」が重要となるので、

・練習中に相手が手で出したサイン(指の本数)などを答えてからパスを出す
・キックターゲットのようにゴールを分け、トラップした瞬間に光った場所へゴールする
・目を瞑っていて、開いた瞬間にプレーを開始する

などの運動がパフォーマンスに直結すると思います。


野球やサッカーだけでなく、どんなスポーツでも視覚からの情報を入れる速度、そこからの判断速度、視覚からの情報を入れるための眼球運動、視野というのは非常に重要となります。それが直接パフォーマンスに直結するので、練習でも取り入れて見ると良いでしょう

コーチの教育、コーチング

「コーチング」というと、スポーツのコーチの技術と思われますが、それだけではありません。

子育てをしている親
職場での後輩の教育
クライアントに対するセラピスト
学習教室の先生

など多岐にわたります。

現在、身体になんだかの問題がある人や、スポーツで頑張っている人達にとって、「いいセラピスト・いいコーチ」を捜し出せたかどうかということは、自分にとって非常に重要です。

今回は、いいコーチ・セラピストを見つけるためにも、コーチの教育についてお話ししていきます。


コーチの学びの機会は

  • フォーマル
  • インフォーマル
  • ノンフォーマル

の3つに分類されます。

フォーマルとは、教育機関や資格を発行する組織によって実施されるプログラムを通しての学び

インフォーマルとは、仕事や家庭生活などの日常生活からの学び

ノンフォーマルとは、講習会や学会発表などのフォーマルとインフォーマルとの間にある学び

と言われています。


特に重要視されているのが、「インフォーマル」からの学びです。
学習をしていく中で、本を読んだり、講義を聞いたりして獲得していく「浅い学習」から自分なりに考えを構築していく「深い学習」。そして、認識の再構築をする「変容的学習」に至るにはどうしてお「インフォーマル」からの学びが必要だからです。

「学び」とは、ただの情報伝達ではなく、「情報を受け取った学習者がそれを覚え、理解し、意味づけ、さらに使いこなせるようになって起きるもの」だからです。


さて、コーチがそういう機会で学習していくことは非常に重要です。
そしてそれは「意図的」に深く考えていく必要があります。
自分のコーチ・セラピストがどのように考えているかを推し量っていくと、その人の器量が見えてくるかと思います。


コーチングの時に、コーチ・セラピスト・先生などが考え、行なっていることは、

1:問いの用意

どのような感覚・イメージを得て欲しいのかを考え、適切な問いを選ぶ

2:問いかけ

当事者意識を薄れさせないように、誘導尋問のような問いは避ける
例 「こうした方がいいんじゃない?」など

3:反応を促す

答えを自分から出すのをじっくり待つ。急かさない

4:反応に対応する

どんな答えでも一度受け入れる

5:発問のプロセスを振り返る

その問い、問いかけ方、反応への対応が適切だったか?もっといい方法がなかったかを振り返る

という流れをふみます。


自分のコーチ・セラピスト・先生と次回会う時、相手の対応をよ〜〜く見てみましょう。

特に、子供の野球のコーチなどは、コーチングを学んでいないことも多く、昔ながらの「根性論」だったり、「自己満足の理論」だったりすることもあるので注意が必要です。

子供達のスポーツ障害、特にover use(使いすぎ)による無駄な怪我をなるべくなくせるように!!

 

筋肥大させるには?

筋肉のパワーは筋肉のボリュームだけでなく、滑走性や、神経–筋の機能などいろいろな要素が組み合わさって発揮されます。
今回は、純粋な筋のボリュームである「筋横断面積」の肥大に及ぼす食事の影響についてお話しします。

そもそも、筋肉は加齢とともに肥大しづらくなってきます。
そのため、若いうちからの筋肥大はサルコペニアの予防だけでなく、あらゆる病気を制御するために重要と言われています。
*筋肉の代謝調節機能が非常に重要


骨格筋の肥大は、長時間かけて筋タンパク質合成の総量が筋タンパク質分解の総量を上回り、タンパク質のネットバランスがプラスになるときに起こります。それを促進するために筋に負荷をかけるのですが、そのときに必要な栄養素がないと逆に分解が上回ってしまいます。


よく言われるように、このときに「アミノ酸」が必要になります
*プロテイン
必須アミノ酸の割合が多いタンパクを「良質タンパク」と呼ばれ、
ホエイ(乳清)、大豆、ガゼイン、などがあります。


様々な良質タンパクを比較した研究があるのですが、
分離された、または混合の乳タンパク質および通常の牛乳は、他のタンパク質に比べ、筋成長の促進効果が最も高いようです。
牛乳はガゼイン含有量が高いにもかかわらず、吸収が早く、驚くほど分離ホエイに近い反応をもたらしたようです。

摂取のタイミングですが、筋力トレーニング直前・または直後に乳タンパクをとるよ良いようです。

*************
即効性のタンパク:ホエイ
遅効性のタンパク:ガゼイン

を摂取し、長時間にわたってタンパク同化効果を発揮させることが吉。
両方とも牛乳に含まれます。
大豆に含まれるのは「ソイプロテイン」ですが、研究結果では牛乳由来の「ガゼイン」「ホエイ」の方が筋肥大には有効と実証されています。


ゴールドジムメンバーなど筋トレマニアには「プロテイン摂取」はおなじみです。ゴールドジムにはプロテインバーもあるようですしね。

*バーと言っても食べるものではありません。ドリンクバーですね。

筋トレとプロテインの摂取はセットにすることで効果を発揮します。

「プロテインって・・・」と抵抗を感じる人もいると思いますので、
まずは「筋トレ前or後に牛乳を飲むこと」から始めましょう

RAO寛骨臼回転骨切り術。骨のズレ

RAOという手術を聞いたことがありますでしょうか?
Rotational acetabular osteotomy と呼ばれる手術で、寛骨臼回転骨切り術というものです。


「寛骨」とは、
骨盤の骨で、それを回転させる・・・

という手術です。 *人工関節ドットコム より


なぜそんなことをするのか?

大雑把にいうと、大腿骨と骨盤の関節(股関節)の適合を変える手術で、
関節面を広くとることで、
・今までの荷重と異なる場所へ荷重させる
・一点にかかる負担を分散させる

という目的があります。

要は、今後股関節の変形が進んでいきそうな方に対して行う手術になります。


そのような人のリハビリをすることが多いのですが、感じることがあります。

「手術直後から頑張りすぎじゃないか…?」

「筋を切り、骨を切るので、まずはそこの修復が優先事項ではないのか?」

手術してがっつりリハビリをしてからくるのですが、
まだ骨きりの骨が動いてしまっている人もいました。
しかし、お尻周りの筋トレをがっつりしてきている・・・
筋トレを自宅でも行えと言われてきている・・・

確かに、股関節周囲・お尻周りの筋肉は股関節の安定性を作る上で非常に重要です。
しかし、「寛骨を切っている」ので、そこがある程度しっかりしないと、筋収縮のやり方によっては、骨をくっつくのと逆、引き離す方へ刺激を与えてしまいます。
クライアントさんでも「お尻の運動すると、ずれる感じがする」と訴えていた人もいました。


手術様式が悪いと言っているわけではありません。

お尻の筋トレが悪いと言っているわけではありません。

現在、手術後何週でこの運動、何ヶ月でこの運動というプロトコル・スケジュールが管理されています。
それが、合わない人もいるということを認識した上で、プロトコルを確認するべきだと思います。

この手術の後の人に特に感じるので、書かせていただきました。

リハビリって効果あるの?

私はリハビリやコンディショニングに従事していますので、周りの人はリハビリの効果というものを実感し、理解している人が多いです。しかし、まだまだ「リハビリって効果あるの?」「痛いんでしょ?」という理解の人が多いと感じます。

では、リハビリの効果ってなんなのでしょうか?
効果としては

「直接的」

「間接的」

なものがあると思います。


「直接的」

骨折や靭帯損傷(捻挫)などを「直接」魔法を使って治すわけではありませんが、「人間の自然治癒」を阻害する因子を除去していく作業と促していく作業になります。例えば、骨折ですといい位置に整復され、そこで固定していたいとします。それがズレないように筋膜・骨膜への刺激を加えたり、周囲循環を改善させたり、適切な方向への圧刺激を加え、骨折の癒合を促進したりします。靭帯損傷でも同様で、捻ってしまった方向と同じ刺激が加わると、少しずつ周囲組織とくっついてきている靭帯を再度損傷させてしまうので、その方向への刺激がかからないようにテーピングで固定したり、誘導したり、防御反応のための神経–筋活動を促したりします。


「間接的」

上記と同様の例でいくと、骨折部・靭帯損傷部に負担がかからないように、周囲間接や他の部位で代償的にカバーできるように身体動作を作ったり、全身の循環を良くして治癒力を高めたりします。

しかし、間接的で一番効果があるのは、「現在痛みがある部位以外へのアプローチ」です。相当な急性外傷でない限り、痛みが生じる原因はそれ以前の身体の使い方にあります。そのため、そこへ負担がかかる癖や負担がかかってしまうようになっている身体自体を修正すると痛みがなくなるというわけです。よく「Tシャツ」で例えられますが、シャツの左下を下へ引っ張ると、右肩が上がりづらくなりますよね?その状態で右肩を上げ続けると、右肩を痛めてしまいます。

そりゃ上げづらい状態で無理して上げていますから・・・

その場合、肩の治療をしてもすぐ痛くなってしまうのはイメージつくと思います。左下を引っ張っているものをなんとかしないと・・・

それが間接的な効果です。


この仕事をしていると、普段の身体のケアってすごい大事なんだなと思います。身体の声を聞いて、身体のことを知ることが今後の予防になってきます

筋膜アプローチ

では、どの筋膜にアプローチしていくか?

まずは「筋外膜」が良いかと思います。
やはり最も深層にあり、筋肉の滑走と強く関与、そして深い筋膜ネットワークなので強い癒着、身体の多部位に影響を与えます。
その「筋外膜」の硬さとは??


「筋外膜」は多重層のある疎性結合組織で、ヒアルロン酸をその層の間や細胞間に含んでいます。硬さの原因は、そのヒアルロン酸が凝集化し、基質のゲル化することによって、筋膜の高密度化が生じてしまった状態です。そのため、解消するためには、

圧 + 摩擦(温度) + 時間 

が必要となります。


そのため、巷で売られているローラーなどよりかは、自分の手で押せれば温熱効果があるので良いかと思います。

もしくは、お風呂などで身体の温度があったまった状態で筋膜に対してアプローチしていくか。

運動後は深部体温が上がっていますが、ヒアルロン酸量も増えているので、微妙なところですかね。


筋膜に対する治療はかなり有効だと思います。

しかし、筋肉のバランスが非常に大切なので、やらないほうがいい場所というのも存在します。
本質的に硬くなっている部分ではなく、引っ張られるのを逆に支えるために引っ張って硬くなっている部分、要はバランスをとっている筋肉です。硬いからとそこの筋膜だけを緩めて、本質的に硬い部分をそのままにすると、「いい代償」を解除してしまうことになるので、逆に痛みが強くなってしまうので注意が必要です。

筋膜筋膜って言いますが

ちょっと前から、「筋膜」ってかなり聞くようになりました。
しかし一概に「筋膜」と言っても、いろいろな概念があるようです。
特に間違った情報などもあるので、正確な情報をまとめておきたいと思います。


「筋膜」

その名の通り、「筋の膜」と言うわけではありません。
「筋膜」を分けると

  • 浅筋膜
  • 深筋膜

に分けられます。


「浅筋膜」とは、真皮の下にある脂肪層を2つに分けるものです。役割として、

  • 深部の層に対する皮膚の可動性
  • 表在の血管と神経の保護
  • 外受容受容器と固有受容器の分離

が主に考えられています。

そのため、この「浅筋膜」とは筋肉を覆っているわけではなく、脂肪層を貫いています。


では「深筋膜」はどういったものでしょうか?

深筋膜は

  • 筋膜腱膜
  • 筋外膜

に分けられます
*筋膜腱膜=深筋膜、筋外膜と分ける考え方もあります。

ここで気がついたと思いますが、直接的に筋肉を覆っている膜というのは「筋外膜」ということになります。
*「外膜」なので「周膜」「内膜」というのもそれより深層にあります。

よく言われるイメージですと、筋組織をラップで包んだものが「筋内膜」それがいくつか集まって「筋周膜」、またまたいくつか集まって「筋外膜」を形成します。それらが集まって「筋膜腱膜」を形成していくと言ったところでしょうか?


巷に溢れている「筋膜リリース」「筋膜調整」とは、一般的には「筋外膜」に対してのアプローチのように感じます。ローラーのようなものや、指圧するようなもので、ゴリゴリって感じですよね?
よく、「Tシャツモデル」と呼ばれるような絵で筋膜の説明がされます。
「シャツの左の下にほつれや硬さが生じると、右の上まで動きが悪くなる」って感じですね。考え方自体は間違っていません。

しかし、ゴリゴリするやり方、場所を間違ってしまうと、効果がないばかりか身体を痛めてしまう可能性があるので気をつける必要があります。