関節リウマチに対するストレングス&コンディショニング

【リウマチとは】

関節リウマチは間接法の内膜が侵される、慢性の全身性多関節炎症性疾患と説明されます。

ただの炎症?

と思うかもしれませんが、この炎症が関節周辺の組織全体へと広がり、骨や軟骨のびらんや破壊をもたらすことが知られています。
それにより、リウマチといえばの「関節変形」が生じてきます。

なんと、アメリカ人のリウマチの罹患者数は130万人にも及び、その数は年々増加しているということです。


【病因】

実は原因はまだ解明されていません。しかし、現在の理論では発症の引き金となるいくつかの事象は指摘されています。遺伝的に影響されやすい素因の人が感染症にかかると、関節を攻撃する免疫反応が起こります。この反応により直接的または間接的に患部の関節包、骨及び結合組織が破壊されるようです。

正常な関節

▶︎滑膜炎(滑膜の炎症・肥厚) 骨と軟骨への侵食

▶︎パンヌス形成(滑膜繊毛上皮) 軟骨の破壊が進み、骨が露出し凹凸となる

▶︎繊維性強直 繊維性結合組織が関節内へ侵食してくる

▶︎︎︎骨性強直 繊維性結合組織が骨化し、関節でなくなる

という進行段階があります


【エクササイズの種類】

関節リウマチ患者の特徴として、

・有酸素性能力が低く、身体活動を避ける傾向がある

・うつ傾向

が挙げられます。それらを考慮した運動が必要となります。

○水中トレーニング

温水環境であれば、関節負荷の軽減に役立ち、関節に対する荷重負荷も軽減される。特に地上で荷重負荷が過剰となってしまうと、関節損傷を悪化させてしまう危険性があるため、水中トレーニングは有効である。

○レジスタンストレーニング

低強度〜中強度のレジスタンストレーニングは関節リウマチにとって有益であるという研究結果が多数報告されている。しかし、関節の不安定性と関節可動域の不足は障害の危険性を高めるため、コントロールが不十分となってしまう動作や衝撃の強い運動は避けるようにする必要がある

○ストレッチングと筋膜リリース

関節周囲の軟部組織の正常化・循環改善は非常に重要となる。筋膜・筋の痛みと緊張を軽減しながら関節の動きの正常化を図ることができる。


【栄養面の注意点】

リウマチ患者は、慢性的な炎症症状のため、リウマチ性の悪液質、筋力の低下を生じる。そのため、適切に栄養を摂取する必要がある。

また、慢性炎症に対しての栄養摂取も心がける必要がある。特に抗炎症作用の強いオメガ3脂肪酸の摂取が有効であるという研究が示されている。
オメガ3脂肪酸は、青魚・くるみ・えごま油・亜麻仁油・緑黄色野菜・豆類に含まれている。


リウマチは慢性炎症性疾患であり、血流性・関節性の問題であるため、全体とそれぞれに対し、進行を遅らせる・止めることを目標に管理をしていくことが重要である。

股関節インピンジメント

インピンジメントとは「衝突」「挟み込み」という意味があり、股関節イピンジメントというと、股関節の特に前面部での軟部組織の挟み込みによる障害です。「インピンジメント」というと「肩関節」が有名ですが、股関節にも生じます。


【病態】

股関節の障害というのは意外と多く、人口の15%にも上ると言われています。股関節インピンジメント症候群「FAI」は股関節炎や股関節関節唇損傷になる前駆症状と言われているため、気がついたら対応が必要です。
FAIは3つに分類され

カムタイプ:大腿骨側の形態異常

ピンサータイプ:寛骨臼側の形態異常

混合タイプ:カムとピンサーの混合

となっています。

個人的には「分類」というのはあまり好きではないのですが、要は関節の構造的な問題が生じているため、インピンジメントがしやすいということなのですが・・・「構造的な問題がなくてもインピンジメントする人もいる」ので分類が嫌いなのです。個人的には、インピンジメントが構造的な問題を作っているとも考えています。

つまり、「関節の動き方が悪いために障害を呈する」のが問題であり、その原因が構図的な場合もあるでしょうが、その人の「使い方」の場合もあるのです。


【増悪因子】

関節周囲の軟部組織の挟み込みなので、増悪因子としては、

・深い屈曲(しゃがみこみやヤンキー座り)

・内旋(大腿骨が骨盤に対して内側へねじれる動作、例えば患側へのターンや、患側を軸にしたキック)

・お姉さん座り

つまり、関節の適合性が高まる(関節の遊びがなくなる姿勢)で症状が出現しやすくなります。私のクライアントさんだと、ゴルフをやっている方が最も多いです。


【不安定性との兼ね合い】

まだブログには書いていない(と思います)が、関節変形の最も大きな要因として「関節の不安定性」があると私は考えています。関節が安定しなくなり、微細なズレを繰り返すことで周囲の固有受容器機能を低下させていき、ズレに対しての反応が遅延していきます。それを繰り返すことで、動作や荷重時の関節のズレが大きくなっていき、関節包や関節唇、靭帯損傷を伴って、軟骨の変形が進んでいってしまいます。

そのため、骨形態上、適合性が悪い人は少しでも適合性がいい状態にしようと、姿勢を変えていきます。

例えば、股関節の臼蓋形成不全がある人だと、骨盤を前傾させて股関節の被覆を高めるといったように姿勢・動作を変えていきます。

さて、

すると

インピンジメント と 不安定性 の兼ね合いが必要となってきます。

ここの調整が難しいのですが、

骨盤底筋群

股関節外旋筋

腸骨筋

小臀筋

らをコアスタビリティを高めながらバランスよくトレーニングしていく必要があります。


【筋力】

筋肉はあればいいというわけではありません。

身体をコントロールするのに必要ですが、筋同士のバランスと固有受容器との協調性が重要となります。ボディビルダーだからといって、健康ではないですよね・・・


最近、股関節インピンジメントFAIは話題になることが多いですが、もちろん昔からある症状で、股関節・肩関節に限ったことではありません。

「身体をスムーズに優雅に動かす」

「身体の動かし方を知る」

ということが非常に重要となります

プールコンディショニング・アクアコンディショニング

「水は健康の源である」

水を利用した身体機能の改善や疲労回復のアプローチは古くから用いられ、今ではそれを「アクアコンディショニング」として利用されています。水中では

・浮力

・水の粘性抵抗

・水圧

・水温

などが身体への生理的反応をもたらし、陸上では得られない多様な身体機能への効果をもたらしてくれます。


【水がもたらす生理的反応】

○浮力

・山本利春:アクアコンディショニングの有効性 トレーニング科学, Vol.19, No.3, 2007

記載されているように、水深が深くなればなるほど、体重が軽減されていきます。関節や筋に問題を抱える人(選手や高齢者)にとっては、軽い体重負荷で運動ができる絶好の機会を作ることができます。ただし、注意点として、プールから出るときは、脳がその体重負荷に慣れてしまっているので、気をつけましょう。身体の準備ができず、筋肉の反応が遅れて負担が強くかかってしまいます。

○粘性抵抗

「プールの中は歩きづらい」ですよね?体重が軽減されていることもありますが、水の粘性抵抗がかかるので、動きづらくなります。さらに、抵抗は速さと抵抗面積に比例するので、大きな面を早く動かすとかなり大きな粘性抵抗がかかってトレーニングになります。よく高齢者が「水中ウォーキング」をしますが、筋トレにもなって、ひざへ優しいいい運動になります。
また、私がお勧めするのは「ジャンプ」の練習です。陸上でのジャンプでは、重力加速度が生じ、関節や筋へは着地衝撃が生じます。水中では粘性抵抗と浮力によって、着地時の衝撃がほとんどかかりません。身体全身を重力に抗して働かせるいい運動になります。

○水圧

・山本利春:アクアコンディショニングの有効性 トレーニング科学, Vol.19, No.3, 2007

下(足の方)に行くほど水圧が高くなります。つまり、陸上とは逆に、下肢末梢の血流が水圧の小さい心臓の方へ還流しやすくなります。この静脈還流の促進はかなり有効で、疲労物質の多く含まれる静脈血がより早く心臓へ戻され、疲労回復効果があります。ですので、陸上でのトレーニング後にアイシングを兼ねてのプールウォーキングは筋疲労だけでなく、血流改善による疲労回復も期待できるということです。

○水温と熱伝導

水の熱伝導率は空気の約23倍なので、全身を冷やして筋の過剰な炎症を抑えたいときや、温めてリラックスさせたい場合などに有効です。また、交代浴(お湯と水に交互に入る)により、血管の収縮と弛緩を促しての血流改善も可能です。


【アクアトレーニングのススメ】

このように、アクアトレーニングには色々ないい点があります。また、重力をかなり軽減させ、無重力に近い状態で運動できることもあり、リラックスした状態で、関節の可動域(特に肩甲骨)を目一杯使っての自動運動が可能になります。伸ばした手にも浮力がかかるので、動かす方向に抵抗がかかるだけで無駄な力が入らずに動かせるというわけです。

現在、クライアントを水中でコンディショニングしたことはありませんが、ひょっとしたらかなり有効かもしれません。ただ、私自身が上手に動けなく、サポートが難しくなる可能性は非常に高いと思いますが・・・
しかし、一人でやるトレーニングとしてはリスクも少なくかなり有効でしょう。

 

常に痛い、どうする

最近、「慢性疼痛」にどう対応するべきか?ということが話題になっています。

「痛みの定義」は

「実際に何かの組織損傷が起こった時、あるいは組織損傷が起こりそうな時、あるいはそのような損傷の際に表現されるような「不快な痛覚体験」及び「情動体験」である。」

となっており、器質的な問題だけでなく、心理的な問題も含む病態として扱っています。実際に、器質的な問題がない人も「痛み」を感じている人が多くいます。


【痛みの種類】

・急性痛(侵害受容性疼痛)

・神経障害性疼痛

・混合性疼痛

・心因性疼痛

があります。慢性疼痛というと、これらの「痛み」が3ヶ月以上続いている状態と広義では解釈されています。

今回は、「概論」として大きくお話をしていきます。


さて、常に痛い状態、慢性疼痛状態はどうなっているかというと、単純な器質的な問題だけではありませんでした。そのため、

*biopychosocial model   engel 1989

上記で表すように、

・生物学的要因

・心理的要因

・社会的要因

がそれぞれ関連しあって、health健康に問題が生じ、慢性痛になっていると考えられています。こららの要因が複雑に絡み合っているため、慢性疼痛からの脱却は難しいとされています。


国際疼痛学会で既に

「生物学的因子と一緒に、心理学的及び社会的因子を含んだ治療を行う」というモデルを推奨しており、

厚生労働省の「慢性の痛み対策研究事業」の指定研究でも、全国11大学病院を拠点に、慢性痛の治療に対して、診療科を横断した学際的な痛みセンターを構築することが求められています。


【治療の戦略】

実際に、慢性疼痛の方を診させていただくと、「筋骨格系の問題」を生じていることがほとんどです。そして、そこからアプローチしていくことが一般的にはスムーズではないでしょうか?

筋骨格系の痛みを解消することで、慢性疼痛の方の「痛みに対する歪んだ認知」を変容することができます。

「あっ、痛みが減りました」

「この動きが痛くなくなりました」

「こうしていると痛くないです」

などの反応が出てくると、心理的要因に対しても治療が進んできているということになります。

そこで運動を習慣化していくと、慢性的な炎症も解消されていきます
http://beinform.org/category/慢性炎症/


なかなか筋骨格系の問題が解消されず、慢性痛に悩んでいる方がいらっしゃったら、まずは動いてみることです。

実際に、慢性痛の一番の問題点としてQOLの低下が挙げられます。QOLとはquality of life の略で、生活の質のことです。そこを低下させてしまうと、どんどん悪循環に陥ってしまいます。

痛いから動かない▶︎動かないから動けない

ではなく、

痛いけど動いてみる
▶︎慢性炎症が軽減される
▶︎動けるというポジティブな意識が出てくる
▶︎心因的な要因・社会的要因から生物学的な要因へのいいフローが起こる

という影響が生じます。

心理学的にも、「行動を起こすことは難しいですが、動いてしまうとそうでもない」ということがあります。
勉強にしても、掃除にしても、ジョギングにしてもそうですよね。

まずはアクションを起こしましょう。

そして、生物学的、社会的、心理的な要因それぞれの悪循環を絶ちましょう

プライオメトリックスの効果

【プライオメトリックスとは】

プライオメトリックスとは、自重を用いた爆発的なレジスタンスエクササイズです。主にスピードとパワーの増大を目的とし、筋の伸張反射を用いてさらに大きな筋力を発揮することに焦点を当てたトレーニングになります。

「伸張反射」というのは、筋繊維が伸ばされた時に縮もうとする反応です。その反応とタイミングを合わせて短縮性の筋活動を行うと発揮筋力が増大します。ジャンプの時、はじめにしゃがんでから飛ぶあれですね。

その、伸ばして〜縮んで(収縮して)をSSC(ストレッチショートニングサイクル)と言うのですが、弾性ネルギー(主に筋腱複合体)を利用しているので、「疲れづらい」と言われています。ランナーなどのアキレス腱は細く長いのに対して、運動不足の人のアキレス腱は「どこだろう・・・?」と言う感じですよね。意外にアキレス腱は大事なんですよ。


【トレーニング】

その「プライオメトリックス」を利用したトレーニングは多岐にわたり、「バスケット」「バレーボール」などジャンプ競技を行う選手は必ずと言っていいほど行っています。

プライオメトリックスの運動では、タイプⅡ繊維(白筋と言われる瞬発力・パワーに特化した筋肉)に圧倒的多くの負荷を与えます。赤筋と言われる持久系の筋肉の損傷が27%程度だったのに対し、85%もの損傷を確認したという研究結果があります。それだけ、瞬発エネルギーに特化した運動だということです。


「傷害予防」

プライオメトリックスエクササイズは、傷害予防の手段としても用いられます。「傷害予防に効果がある」ということは研究されていますが、なぜかは研究されていません。*調べた中では・・・
おそらく、筋腱複合体に刺激を与えているためだと思います。筋腱複合体とは、感覚受容器がかなり豊富にあるところです。要は、関節のズレなどを認知する機能があるところです。つまり、そこを鍛えるということは

「ズレないように反応してくれる機能を高められる」

ということです。

ひょっとしたら、歳をとっていくと怪我をしやすいというのはそう言ったところに起因するものかもしれません。
プライオメトリックスというのはかなり負荷の高い運動ですが、安全に配慮しながら行っていくことで、転倒予防・傷害予防というのを高齢者に対してかなり有効な手段になるのではないかと思います。

エルゴジェニックとしてのクレアチン

エルゴジェニック。あまり聞きなれない言葉かもしれません。
簡単にいうと

パフォーマンスの向上をサポートするサプリメントです。

なんだ、サプリメントか・・・と思うかもしれませんが、
「クレアチン」はかなり有効で最強と言われています。


「クレアチン」

クレアチンは腎機能の評価に利用されるクレアチニン(代謝産物)が有名なので、なんとなく聞いたとこがあると思います。

クレアチンは生体内においてクレアチンリン酸に変換され、エネルギー源として主に骨格筋内に貯蔵されています。そのため、クレアチンの摂取は、ジャンプやスプリント、筋力トレーニングなど、短時間の高強度運動、または短い休息を挟んで繰り返し行われる高強度運動に最も大きな効果をもたらします。

クレアチンリン酸が増えると、ATP合成をしてくれるので疲労の発生を遅らせることができます。さらに、乳酸によって発生する水素イオンH+の蓄積を緩衝することができるので、その面からも疲労の予防に役立ちます。


「クレアチンの摂取方法」

標準的に4〜7日間のローディング期に20g/日を4回に分けて5gずつ4時間おきに摂取。その後は維持料として3〜5g/日を摂取し、増加したクレアチン濃度を維持するという方法が取られています。

つまり、筋肉内に取り込んでいるエネルギー量を増加させ、その量を維持する。ということです。通常では十分なエネルギー量を取り込めていないということです。


「要点」

・クレアチンは体内で合成されるタンパク質含有化合物であり、疲労の軽減と回復によって、パフォーマンスを向上させる

・クレアチンは筋力とパワーを向上させるが、筋肉の中の含有量が増えるだけなので、体重や筋量に大きな変化を引き起こさない

 

ネガティブな面がなく、かなり有効なエルゴジェニックとして注目されているクレアチン。今はアスリートやトレーニング愛好家の中で知られているのみですが、一般的に取るようになる日も遠くないかもしれませんね。

 

薬膳

薬膳とはその名の通り「薬」となる「膳、つまり食べ物」のことです。

「中医学」という中国の伝統的な医学にある「食べ物による療法」のことで、「病気ごと人全体として捉える」という中医学的な考え方から生まれたものです。自分の体質や健康状態と食材の機能を知り、体質や健康状態に合わせた薬膳をとることによって、体内のバランスを整えていくことが重要です。

medicinal cuisine と英語で表されることも多いのですが、そこまで「薬」というイメージではないのかなぁと・・・誰でも、喉が痛いな〜と思ったらはちみつをとったり、お腹の調子が悪いなぁと思ったらヨーグルトを食べたりすると思うのですがそれを突き詰めたものという印象です。


「食材の機能」

食材の機能を5つ「性」に分類し、身体を温めたり、冷やしたりとします

「寒」<「涼」<「平」<「温」<「熱」
*右へいくにつれて、身体を温めます。

「涼・寒」では、身体を冷やし、熱を除く。毒を排泄し、便通を整える

「平」では、熱・寒に偏らず、滋養強壮作用がある

「温・熱」では、身体を温め、痛み止め、気・血の巡りを良くする

という機能に分かれています。さらに、

「気を補う」「気を巡らせる」「気の流れを治す」「血を補う」
「血を巡らせる」「水の偏りを無くす」「水を補う」「下焦の虚を補う」
「身体を温める」「身体を冷やす」

など、食材によって身体に対する作用があります。

それらの食材を組み合わせ、身体状態に合わせた薬膳料理を作っていくという形です。


「証」という8つの症状

食べる人や季節によって生じやすい状態を「証」と言い、この証に合わせ、先述した様々な身体の作用を考えて食材を組み合わせ、料理を作ります。証は8つに分けることができます。

気虚証:全身がだるい・食欲がない

気うつ・気滞証:眠れない・頭が重い

気逆証:イライラ・急に起こる頭痛

下焦の虚証:下半身が冷える・腰が痛い

血虚証:皮膚が乾燥する・毛が抜けやすい

瘀血証:肩こり・生理不順

水毒証:むくみ・めまい

亡津液証:便秘


「食」するということは、身体に必要なものを外部から取り入れるということです。便利だから・安いから・美味しいから・・・などと偏った食事をしていると、それが身体を作っているということをよく考えた方が良いと思います。

現代は、「どこでも」「いつでも」「なんでも」買えるので、ついつい好きなものを食べがちですが、その季節にあったものを食するということは身体を作る意味でも重要なことです。

乳がん後の運動、水泳

最近まで、乳がん患者はがんの治療後、安静に努め、身体活動を避けるように医師から言われること主でした。さらに、買い物袋やハンドバックさえも患側では持たないように指導されて来ていました。

しかし、新たに研究が進みACS(米国がん学会)の「がん生存者の栄養と運動に関するガイドライン2012改訂版」によると、がん治療中に運動することで、身体機能、倦怠感などが改善する可能性があるばかりか、運動によって化学療法の完了率が上昇すると示されています。また、再発率も減少するという研究結果があります。

また、

「乳がん患者には治療の全段階においてエクササイズを実行することを推奨すべきであり、エクササイズ推進にむけて種々の障壁を取り除くべきである」

と述べています。


【外科手術の影響】

 

片側であっても、両側であっても、乳房切除術であっても、乳房温存術であっても、ほぼ全ての患者は同時にリンパ節の切除を受けます。そのリンパ節切除で起こりうる副作用が

「リンパ浮腫」です

リンパ浮腫はリンパ節が失われたために排出されないリンパ液が溜まって腕が腫れ、痛みを生じる症状です。

これを「運動していいのか?」と感じると思いますが、先ほどもお話ししたように、

  • 8ポンド以上のものを持つ
  • 反復動作は控える

といった指導は「誤り」であると明らかにされました。

ストレッチングと低強度の前進的レジスタンストレーニングを用いると、リンパ浮腫の諸症状を悪化させずに、治療的介入が可能(関節の動く範囲の拡大)が可能であったと結論づけています。


【水泳のすヽめ】

水泳は、水中を動くことで受ける抵抗を利用する優れた有酸素運動です。さらに、水平姿勢をとることで、血流量を増やし、臓器系への酸素運搬を増やすのに優れた手段と考えられます。
軽いストレッチングを行いながらの自動抵抗運動(水による抵抗)となるので、無理なく関節可動域の拡大が測れます。

このようにいいことずくめの水泳ですが、注意点もあります

化学療法によって、免疫系がダメージを受けているので
*プールが混んでる時間帯は避ける
*インフルエンザや風邪が流行している時期は避ける

皮膚の炎症を起こしている場合
*塩素処理された水が悪化させる危険性がある

ということもありますので、医師と相談して運動に取り入れると良いかと思います。

サルコペニアを予防するには

「サルコペニア」という言葉をご存知でしょうか?
サルコペニアとは、

「進行性・全身性に見られる筋肉量減少と筋力低下」であり、

身体機能障害、QOL(生活の質)の低下、死のリスクを伴うものです。

特に、高齢者を対象に使われますが、疾患や、経済的な問題からなる人もいます。
そのため、原因として以下の2つが挙げられます。

1:加齢

2:その他 (活動・栄養・疾患)


【加齢によるサルコペニア】

加齢によるサルコペニアは色々な要素が関与します。特徴としては、

「成長ホルモンや性ホルモンの同化促進ホルモンの低下」

が挙げられます。

同化促進ホルモンが低下すると、炎症性のサイトカインが増加します。この「炎症性サイトカイン」というのが厄介なのです。
その中の、インターロイキン6(IL-6)はタンパク質分解酵素を放出します。つまり「筋肉」が分解され続けてしまうということです。


【その他】

活動:
不活動・安静臥床などにより、筋肉が廃用性に萎縮してしまいます。安静にしていると、筋肉量は1日に約0.5〜4.2%も減少すると言われています。そのため、不要な安静を避けることが重要です。よく、

「転ぶのが怖いから動くなと子供に言われた」

などと聞きますが、実際は動かないリスクの方が高いです

栄養:
エネルギー摂取量<エネルギー消費量 となると栄養不良になる(・・・と言われています)
栄養不良状態となると、肝臓のグリコーゲンが枯渇するので、筋肉を分解することで糖原生アミノ酸からグルコースを合成します。そのため、筋肉量が減少していくということになります。

疾患:
病気から「悪液質」となると筋肉が減少します。

悪液質は、併存疾患に関連する複雑な代謝症候群で筋肉の喪失が特徴です。
臨床的な特徴として、

成人の体重減少

小児の成長障害

です。
ガンで有名ですが、慢性感染症・膠原病・慢性心不全・慢性腎不全・慢性呼吸不全・慢性肝不全 からもなります。


【対策】

ズバリ、「適度な運動」です。

「運動」というと炎症症状を助長するようですが、実は、運動により炎症は治まります。

 

運動には、抗炎症作用があり、慢性炎症を改善することができます。要は、炎症性サイトカインの活動を抗炎症性サイトカインが抑え、

筋蛋白分解の抑制

筋蛋白合成の増加

男性ホルモンの増加による筋蛋白合成の増加 が生じます。

なんだかんだ、「運動」ってすごいですね

成長ホルモンを出す睡眠とメラトニンを出す睡眠

睡眠は人間にとって非常に大切なのはいうまでもありません。
回復プロセスに対する睡眠の意味を考えると、睡眠はトレーニングの質や普段の日常生活の質に大きく影響を与えます。

「睡眠不足はパフォーマンスの悪化を招き、モチベーションと覚醒レベルを低下させ、注意力や集中力及び認知力の不足をもたらします。」

一般的には、心理学的回復(学習能力・モチベーション・記憶など)及び生理学的回復(代謝と炎症)には7〜9時間の睡眠が適切と報告されています。さらに、精神的に過負荷となる仕事や、アスリートのように身体的に過負荷となる人の場合だと、さらに多量の睡眠が必要と考えられています。


ホルモンの働き

回復はホルモンを通して促進されます。
成長ホルモンや男性ホルモンは、筋の修復や筋形成・骨の成長、さらに脂質の参加を促進するために欠かすことができません。

メラトニンは、神経伝達物質であるセロトニンから産生されますが、抗酸化作用が多様にあります。また、他の炎症性酵素を活性化させ、細胞を傷つけて組織炎症を促進する酸化ラジウムを無害化してくれます。さらに、免疫機能も神経系と内分泌系を通して調整してくれます。


ホルモンの働きを最大化するには

成長ホルモンは

「22時〜2時が最も活性化される」

と言われていました。しかし現在は、睡眠段階の3・4という深い段階で最も成長ホルモンが分泌されるということがわかっています。


出典:名嘉村 博 「良い眠り 良い人生 3」 『琉球新報』

 

上記の図は、睡眠の深さと時間の経過を表しています。横軸が時間軸で縦軸が睡眠の深さの軸です。
先述した、3・4の段階の深さの眠りは、入眠してから3時間で訪れます。そしてその後は眠りが浅くなっていってしまいます。
ということは、この入眠後3時間に邪魔が入らないことが重要となります。

乳幼児がいるお母さんの疲れが取れないのは、このゴールデンタイムである3時間を邪魔されてしまうからです。

メラトニンは、体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。光によって調節されており、目覚めてから14〜16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌されます。 徐々にメラトニンの分泌が高まり、その作用で深部体温が低下して、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになります。

このタイミングでしっかり眠りを取ることで、ホルモンの働きを最大化した睡眠を取ることが可能となります。


睡眠の質を高める対策

  • 明かりのないくらい室内環境の確保
  • 静かな環境
  • 室温を保つ
  • 寝具や寝着による暑さを避ける
  • 習慣的にいい睡眠をとる(サーカディアンリズムを保つ)
  • 少なくも7時間の睡眠をとる
  • 午後の遅い時間に昼寝をしない
  • 就寝前にカフェインや食べ物を摂取しない
  • 就寝前にコンピューターやタブレットを使用しない

運動不足と肥満による慢性炎症が死を招く パート2

「肥満」「運動不足」とは切っても切れない仲です。

少し太ってきたな〜運動しようかなぁ から始まり、
▶️体力落ちているため、すぐに運動終了、そして続かない・・・
▶️さらに肥満化・・・という負のループに陥りやすいですよね

で、なんだかんだで太っていって、運動不足になっていってしまうと・・・

しかし、先述しましたが、慢性炎症は血管の問題や糖尿病のリスクが格段に上がってしまいます。そして、「運動不足と肥満はそれらをさらに悪化させてしまいます!」
運動不足と肥満はシンプルに糖尿病・血管の問題をも引き起こすので、

「運動不足・肥満」と「慢性炎症」はそれぞれ助け合って、身体を破壊していきます。


「脂肪組織」

脂肪組織とは、「余ったエネルギーを身体に蓄えておく」という役割が有名です。そして、それでしかありませんでした。しかし、今日ではかなり多くの役割を担っているとい考えられています。(実は一種の内分泌組織と考えられている)
さて、人間が脂肪を蓄えるには限度があります。細胞が肥満の限度に達した時、

・脂肪組織内の脂肪細胞数の増加

・異所性の脂肪貯蔵

という結果が生じます。

この「異所性の脂肪貯蔵」が大きな問題!通常貯蔵される、「筋肉」「脂肪組織」以外の部位に脂肪を貯蔵してしまいます。これがいわゆる

「内臓脂肪」

というやつです。この脂肪細胞から「炎症誘発物質」が分泌されてしまいます。
このように、内臓脂肪は皮下脂肪よりも多くの健康リスクを招いてしまいます。


「運動と炎症」

「運動」というと、微細損傷などを生じ、炎症を起こすんじゃないの?と考えがちですが、多くの作用から慢性的な炎症を軽減する作用があります。実際、習慣的に運動行う人は慢性の炎症レベルが低く、炎症誘発物質(CRPなど)の値も低くなっています。

運動による炎症を抑える作用は、

1:「異所性脂肪」の減少を促すことができる

2:炎症誘発性サイトカインの産生と分泌を抑えることができる

3:内因性抗酸化防衛能が拡大し、炎症状態を軽減することができる(筋肉から出る活性酸素種と反応性窒素種の放出を減少させる)

という効果があります。
確かに、運動により炎症症状はある程度出現しますが、それを補う以上の効果が運動によって得られるということです。

では実際、どんな運動がいいのでしょうか?


「炎症対策のための運動プログラム」

運動といっても、大きく分けて

・有酸素運動 (ランニングや自転車、ヨガなど)

・無酸素運動 (ジムでの筋トレ、ダッシュ、ラダーなど)

があります。

実際、無酸素運動の中でもレジスタストレーニング(マシントレーニング)では抗炎症作用は見られなかったとようです。

有酸素運動による抗炎症作用が大きく発見されており、特に「中等度」での運動が効果があるようです。

「スポーツ選手は早死にする」というように、身体に負荷をかけすぎることは、身体が酸化してしまって良くないとわかっています。なんと平均10歳も寿命が違うようです。

趣味でのスポーツでは、結果ばかりを追わず、健康な身体を気分良く作るという意味で

「しゃべりながらできる程度の運動」

を推奨します。

なんだかんだで、昔から言われているように

太り過ぎは良くない

適度な運動をしましょう

でまとまりますね

 

運動不足と肥満による慢性炎症が死を招く パート1

「炎症」は免疫系の重要な機能です。
「組織の修復のための炎症」というとイメージがつきやすいのですが、その炎症はあくまで急性期の短期間のものとなります。

「炎症」の定義は
’傷害あるいは感染に対する組織の局所的な反応’ となっています。

急性の感染や傷害に反応して、免疫系は免疫細胞を劇的に増加させて、タンパク質を作り出すことで反応します。
慢性炎症というのは、その急性の状態まではいかないが、正常よりも高い値でCRPなどのタンパク質が血漿中に慢性的に存在するという状態です。


「炎症とアテローム性動脈硬化症」

アテローム性動脈硬化症とは、動脈の内側に粥状(アテローム性)の隆起(プラーク)が発生する疾患です。それにより、血管の内径を狭めることで血流障害を起こします。アテローム発生は傷ついた血管内における脂肪の蓄積のためと考えられてきましたが、現在では「炎症免疫活動の結果」として捉えられています。そのため、慢性炎症が動脈硬化の主要なリスクとして捉えられています。動脈硬化は、脳に栄養を送る血管でも、心臓血管でも、もちろん四肢への血管でも起こり得ます。


「炎症と代謝性疾患(糖尿病など)」

糖尿病というと「インスリン抵抗性の増大」だが、炎症はインスリン抵抗性を生じされる重要な因子となっている。
血糖値が食後に上昇するにつれ、インスリンを作り出す膵臓の細胞が刺激され、インスリンを産生して血中に放出します。それらを、なんだかんだありまして・・・濃度勾配の下方となる筋・脂肪の細胞(筋が約80%とほとんど)にブドウ糖を取り込むことになります。
炎症は、この伝達プロセスを妨げ、筋肉へのブドウ糖取り込みを阻害してしまいます。


ここまでで、血管系の疾患、糖尿病が慢性炎症により生じやすくなっているのがわかると思います。そして、この慢性炎症というのが、「運動不足」「肥満」によりさらに慢性化してしまうことが問題となります。

未病- ME-BYO-

「未病」という言葉がどんどん広まってきています。最近CMでも聞くとのことです。
「未病」:健康と病気を2つの明確に分けられる概念として捉えるのではなく、心身の状態は健康と病気の間を連続的に変化するものと捉え、この全ての変化の過程を表す概念。

として定義されています。
なかなか分かりづらいですね。

例をあげましょう。例えば、「糖尿病」と言われるのは、
空腹時血糖値≧126mg/dlまたは75g糖負荷試験(75gOGTT)2時間値≧200mg/dl、あるいは随時血糖値≧200mg/dl
と言われています。正常型が(空腹時<110mg/dl、かつ2時間値<140mg/dl)
なので、その間が「境界型」と呼ばれます。

糖尿病での「境界型」が「未病」の状態というわけです。


実際、それは糖尿病だけでなく、他のすべての疾患に当てはまります。
私が治療している多くの人たちは「筋-骨格系」の疾患を持っています。例えば、「変形性膝関節症」や「靭帯損傷」「腰部脊柱管狭窄症」などです。そのような疾患でも、

そうなりやすい土台

というものがあり、そのなりやすい環境に身体がなっている状態を「未病」と考えて良いでしょう。

普段の生活の中で、「心身の状態を知り、心身のバランスを整えて、より健康な状態に近づけていく」ということが重要になります。

要は病院へ行くほどになった状態の時にはすでに遅し・・・ということです。


普段から、「スポーツクラブ」へ行く習慣はありますが、

「自分の身体を専門家に診てもらう」

「自分の食事を専門家に診てもらう」

「自分の生活様式を専門家に診てもらう」

という機会がありません。

そんなことのできる施設を作っていきたいです。

健康経営

だいぶ「健康経営」という言葉が定着していますね。

「健康経営」とは
「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても 大きな成果が期待できる」との基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、 戦略的に実践することを意味しているようです。
従業員の健康管理・健康づくりの推進は、単に医療費という経費の節減のみならず、生産性の向上、従業員の創造性の向上、企業イメージの向上等の効果が得られ、かつ、企業におけるリスクマネジメントとしても重要との観点から、大企業を中心に、従業員の健康管理についての施策が増えてきているようです。


先日、「ME-BYO Japan 2017」の展示会へ行ったのですが、たくさんの会社が「健康経営」についての施策を謳っていました。

国も、「健康経営優良法人認定制度」なるものを作り、「健康経営」について後押しをしています。


「ブラック企業問題」に対してのアプローチもあるのでしょうが、企業の従業員に対する管理というかサービスはすごいですね!ほとんどが大企業なんでしょうが、大企業に勤めたいという気持ちがわかります。
しかし、確かに気持ちよく・健康的に働いてもらった方が生産性も上がりますし、退職も減るでしょうから「人財」を作る、維持していくという意味でも非常に重要なのかなぁと思います。


そもそも、昔の「日本企業」はそういう風潮があったのではないかなぁと思います。「三丁目の夕日」で描かれているように「従業員は家族だ」のような風潮が。今は、従業員に対して「働かせてやっている」というイメージが強いんですかね?アメリカナイズされた「能力主義」「成果主義」の社会ですから・・・そのまま、「健康経営」を目指したところで、なかなか浸透は難しいのかなぁと思います。成果主義ですと、「お前は成果を上げていないくせに・・・」や「成果を上げていないから休めない・・・」となるのがオチでしょうし・・・


以前のように、
「終身雇用」「年功序列」「従業員は家族」の制度になっていくのか、「成果主義」のまま「健康経営」を目指すのか・・・
それによって、「健康経営」が根付くか根付かないかが決まってくるのではないでしょうか?

高地トレーニング

空気の薄い「高地」でのトレーニングはさまざまなスポーツで取り入れられています。
特に持久系スポーツでは必ずと言っていいほど取り入れられており、マラソンで金メダルを取った、「高橋尚子選手」「野口みずき選手」がやってきたことは有名です。


高地トレーニングの目的は、
「低酸素の環境」で「トレーニングによる低酸素刺激を加えること」で
最大酸素摂取量を増加させよう!!というものです。


高地では、酸素分圧が低くなるので、体内への酸素の取り込みが減少します。身体はそれに適応しようと、(少ない酸素の取り込みでも酸素をしっかり各臓器に送り込めるようにと)エリスロポエチンという骨髄における赤血球生産を促進するホルモンを増加させます。それにより、赤血球やヘモグロビン、血液量を増やして、最大酸素摂取量が増加するというわけです。

これ自体、低地に戻ってきたら意味がないなど言われておりますが、さまざまな角度からの研究結果によって、効果があると判断されています。短期間(3泊4日)での効果があったという研究も報告されています。

しかし!

低地に降りてきたときに、ヘモグロビンやヘマトクリット値が高い値を維持している。という決定的なデータはありません。

*探せなかっただけかもしれませんが・・・


身体は、体感したことがある苦しみには耐えられるようになっています。(肉体的にも精神的にも)。また、心理的にも「高地まで行ってトレーニングしてきたんだ!」という効果もあると思います。

そう言った意味で、生理学上は意味がない可能性もあると思いますが、

「酸素摂取・運搬が難しくなるトレーニングをした体験」

「高地でトレーニングをしたという自信」

がパフォーマンスの向上に一役買っているのではないかと思います。


スポーツは自分のパフォーマンスを最大限出すことが最良の結果を出す秘訣です。自分のパフォーマンスを最大限出すためには、自分の現在の調子ややってきたことを信じる必要があると思います。

「高地トレーニング」はそこにかなりの影響を与えているのではないかな〜と思います。

デワデワ

認知症の兆候と運動による効果

よく「認知症」と「物忘れ」が混同されます。
よく比較されますが、特徴的なものは、

・「重要な」出来事を覚えていない

・単語が思いつかないことは誰でもあるが、「誤った単語」で代用することがある

・物の置き場所を間違えることは誰でもあるが、「不適切な場所」で見つかる

・明らかな理由なしに突然気分が変わる

などでしょうか。
その他さまざまな症状が同時多発的に生じる場合もあれば、一つだけ突出して障害されることもあるようです。


【コミュニケーション方法】

コミュニケーションは大きく

・言語コミュニケーション

・非言語コミュニケーション

があります。
これも、どちらかの症状が強く現れる場合が多いので、症状の弱い方のコミュニケーション方法を使い、お互いの信頼関係を気づいていく必要があります。「約束を違えた」や「言った言っていない」の論争は、お互い本気なだけにお互いの信頼関係をひどく損なってしまいます。「認知症」の方とのコミュニケーションは「信頼関係」が非常に大切なので、特に親族など手をかけなければならない人から「信頼される人」となるようにする必要があります。


【運動の効用】

前回記載しましたが、性ホルモンが認知症の予防に非常に重要です。性ホルモンを出すには、運動が非常に大切です。特に定期的に運動を行なっていると効果も高いようです。

また、認知症と高い相関があるリスクの「心臓血管系」の状態を運動は改善することができます。さらに、神経の可塑性も促進できるので、認知症対策として、認知症の進行予防として「運動」は有効と考えられています。WHOは運動がもたらす利益の中に

「心の健康と気分の改善」

「日常活動能力と転倒防止能力の向上」

そして先述した「心臓血管系疾患のリスク低減」

を挙げています。

運動をしっかり続ける。続けられるようにサポートできるかできないかは、その後のQOL(quality of life 生活の質)を大きく左右します。

どんな人にも「運動」は重要なのですね!

でわでは

認知症とそのリスク

現在、日本では超高齢化社会が進んでいます。
そうなると、内科的・整形外科的な疾患も問題になってきますが、当然「認知症」も大きな問題となってきております。

認知症は、加齢とともに発症する可能性が上昇し、65歳以後は5年ごとになんと倍増するという研究報告があり、82歳を越えると約50%がなんらかのタイプの認知症を有していると言われています。

認知症は、認知能力と実行機能の進行性の低下であり、これが進行性の社会的・機能的障害をもたらして自立性を喪失させてしまいます。
タイプとしてはアルツハイマー型認知症と血管性認知症で9割を占めております。そして、大多数は不可逆性の進行性疾患です。

認知症の進行を管理することが推奨されており(アルツハイマー病協会)

・利用可能な治療選択肢を適切に利用する

・共存疾患を管理する

・健康管理専門職同士で協調してケアを行う

・活動やディケアプログラムに積極的に参加させる

・支援団体及びその他の支援サービスに参加させる

ということを積極的に行うように呼びかけています。


【危険因子】

ホルモンの影響が多く関与していると言われており、特に女性の場合はエストロゲンが非常に重要と言われております。研究によるとエストロゲンは認知障害を招くような加齢に伴う変化から脳を保護する可能性があり、ホルモン補充療法は認知症へのリスクを大きく低下させると考えられています。

肥満・高血圧・高コレステロールを伴う心臓血管系疾患と糖尿病は、血管性認知症とアルツハイマー型認知症に関連します。認知症のリスクは脳への血流量が不十分になる末梢動脈疾患において最も高いことが判明しています。血液と酸素は脳の養分なので注意が必要です。

 

腹筋の付け方

「腹筋」と言っても、いろいろあります。
有名なのは「腹直筋」でsixpackと呼ばれる目立つ筋肉です。
それより深層に行くと、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋と層になっています。

腹筋は「3層構造」になっています。運動によって、つく筋肉が若干異なってきます。

以前はsit-upと呼ばれる腹筋が主流でした。
膝を立てて寝て、体を起こす!ってやつですね。

現在は、サッカーの長友選手で有名になった「体幹トレーニング・コアトレーニング」と呼ばれる運動が多くなってきています。


運動によってつく筋肉が異なると書きましたが、深層の筋肉がしっかり働いて、脊柱・白線・腹横筋・骨盤底筋のインナーユニットを安定させてこその浅層筋の働きです。そのインナーユニットがしっかり働くためには、「生理的な前弯」が保たれている必要があると言われています。


そのため、まずはインナーユニットである深層筋を鍛えることが重要となります。ではどんな方法が良いでしょうか?

ポイントは

1:腰椎の生理的前弯が保たれている

2:四肢の動きを止める作用をしている

ということです。

つまり、「体幹がしっかりしている」ということは、
「外力や、四肢の運動による体軸内の動揺を腰部の生理的前弯を保った状態でいられること」ということです。
サッカーだとわかりやすいのですが、体を当てられても、どんな姿勢でシュートを打とうとしても「軸がしっかりしている」という状態です。

ということは、トレーニングで意識すべきことは、
「体幹を安定させた状態(動かないようにした状態〕で四肢に動きや抵抗運動を加える」ということです。
そのため、一番簡単な運動として、四つ這いでの上下肢挙上という運動が出てくるというわけです。

これはごく基礎的な考え方で応用は無数にあります。

*また、「腰部を動かないように固定する」というのも基礎的で、その後、「柔軟に安定しながら動く」という段階に移行して行く必要があります。

その辺はまた後日お伝えします

スポーツビジョン

スポーツと視力の関係は、昔から「動体視力」がよく言われています。
特に野球でのイメージが強いですが、野球に限らず、外的環境が常に変化し、それに対応した動きが必要になるスポーツ全体でかなり重要となります。

野球では、相手ピッチャーの動作、ボールの動きに対応するための「目の良さ」が重要となります。「選球眼」という言葉がありますが、きたボールのコース・スピード・球種を素早く判断し、選球することができれば、「有利なカウント」を作ることができ、駆け引きを有利に進めることができます。

一方、サッカーのような運動では、相手の動きに素早く目を動かす「眼球運動」、ルックアップして見方や相手を素早く捉える「視野」、とっさに判断する「瞬間視」などが重要となります。周りの状況を目で捉えて、認識するという能力は、そこからの判断⇨動作のスピードに関与しますので、相手より一瞬でも早く動き出す必要があるサッカーのようなスポーツでは非常に重要となります。


トレーニングとしては、

  • 基礎的トレーニング
  • 個別的トレーニング

があります

「基礎的トレーニング」とは、スポーツの種類に限らず、視覚からの情報を素早く入手するためのトレーニングです。
具体的には、「眼球運動」のトレーニングになります。
イメージとしては一時期流行った「速読」のトレーニングに似ています。
見る場所を決めておいて、素早く「眼球運動だけ」でそれを見ていくという運動です。一人で行う場合は、両手を伸ばし、親指を立てて、それらを交互にしっかり捉えていく運動をすると良いでしょう。ポイントとしては、「見るときにしっかり止まって見る」ということでしょう。「ピタッと」意識することを忘れずに。

「個別的トレーニング」とは、スポーツの種類によって異なります。

野球では、ボールに数字を書いて、それを読み取るなどと昔からやられているような運動が効果的でしょう。
サッカーでは、「周辺視野」や「視覚からの情報を捉えてからの判断の速さ」が重要となるので、

・練習中に相手が手で出したサイン(指の本数)などを答えてからパスを出す
・キックターゲットのようにゴールを分け、トラップした瞬間に光った場所へゴールする
・目を瞑っていて、開いた瞬間にプレーを開始する

などの運動がパフォーマンスに直結すると思います。


野球やサッカーだけでなく、どんなスポーツでも視覚からの情報を入れる速度、そこからの判断速度、視覚からの情報を入れるための眼球運動、視野というのは非常に重要となります。それが直接パフォーマンスに直結するので、練習でも取り入れて見ると良いでしょう

コーチの教育、コーチング

「コーチング」というと、スポーツのコーチの技術と思われますが、それだけではありません。

子育てをしている親
職場での後輩の教育
クライアントに対するセラピスト
学習教室の先生

など多岐にわたります。

現在、身体になんだかの問題がある人や、スポーツで頑張っている人達にとって、「いいセラピスト・いいコーチ」を捜し出せたかどうかということは、自分にとって非常に重要です。

今回は、いいコーチ・セラピストを見つけるためにも、コーチの教育についてお話ししていきます。


コーチの学びの機会は

  • フォーマル
  • インフォーマル
  • ノンフォーマル

の3つに分類されます。

フォーマルとは、教育機関や資格を発行する組織によって実施されるプログラムを通しての学び

インフォーマルとは、仕事や家庭生活などの日常生活からの学び

ノンフォーマルとは、講習会や学会発表などのフォーマルとインフォーマルとの間にある学び

と言われています。


特に重要視されているのが、「インフォーマル」からの学びです。
学習をしていく中で、本を読んだり、講義を聞いたりして獲得していく「浅い学習」から自分なりに考えを構築していく「深い学習」。そして、認識の再構築をする「変容的学習」に至るにはどうしてお「インフォーマル」からの学びが必要だからです。

「学び」とは、ただの情報伝達ではなく、「情報を受け取った学習者がそれを覚え、理解し、意味づけ、さらに使いこなせるようになって起きるもの」だからです。


さて、コーチがそういう機会で学習していくことは非常に重要です。
そしてそれは「意図的」に深く考えていく必要があります。
自分のコーチ・セラピストがどのように考えているかを推し量っていくと、その人の器量が見えてくるかと思います。


コーチングの時に、コーチ・セラピスト・先生などが考え、行なっていることは、

1:問いの用意

どのような感覚・イメージを得て欲しいのかを考え、適切な問いを選ぶ

2:問いかけ

当事者意識を薄れさせないように、誘導尋問のような問いは避ける
例 「こうした方がいいんじゃない?」など

3:反応を促す

答えを自分から出すのをじっくり待つ。急かさない

4:反応に対応する

どんな答えでも一度受け入れる

5:発問のプロセスを振り返る

その問い、問いかけ方、反応への対応が適切だったか?もっといい方法がなかったかを振り返る

という流れをふみます。


自分のコーチ・セラピスト・先生と次回会う時、相手の対応をよ〜〜く見てみましょう。

特に、子供の野球のコーチなどは、コーチングを学んでいないことも多く、昔ながらの「根性論」だったり、「自己満足の理論」だったりすることもあるので注意が必要です。

子供達のスポーツ障害、特にover use(使いすぎ)による無駄な怪我をなるべくなくせるように!!

 

筋肥大させるには?

筋肉のパワーは筋肉のボリュームだけでなく、滑走性や、神経–筋の機能などいろいろな要素が組み合わさって発揮されます。
今回は、純粋な筋のボリュームである「筋横断面積」の肥大に及ぼす食事の影響についてお話しします。

そもそも、筋肉は加齢とともに肥大しづらくなってきます。
そのため、若いうちからの筋肥大はサルコペニアの予防だけでなく、あらゆる病気を制御するために重要と言われています。
*筋肉の代謝調節機能が非常に重要


骨格筋の肥大は、長時間かけて筋タンパク質合成の総量が筋タンパク質分解の総量を上回り、タンパク質のネットバランスがプラスになるときに起こります。それを促進するために筋に負荷をかけるのですが、そのときに必要な栄養素がないと逆に分解が上回ってしまいます。


よく言われるように、このときに「アミノ酸」が必要になります
*プロテイン
必須アミノ酸の割合が多いタンパクを「良質タンパク」と呼ばれ、
ホエイ(乳清)、大豆、ガゼイン、などがあります。


様々な良質タンパクを比較した研究があるのですが、
分離された、または混合の乳タンパク質および通常の牛乳は、他のタンパク質に比べ、筋成長の促進効果が最も高いようです。
牛乳はガゼイン含有量が高いにもかかわらず、吸収が早く、驚くほど分離ホエイに近い反応をもたらしたようです。

摂取のタイミングですが、筋力トレーニング直前・または直後に乳タンパクをとるよ良いようです。

*************
即効性のタンパク:ホエイ
遅効性のタンパク:ガゼイン

を摂取し、長時間にわたってタンパク同化効果を発揮させることが吉。
両方とも牛乳に含まれます。
大豆に含まれるのは「ソイプロテイン」ですが、研究結果では牛乳由来の「ガゼイン」「ホエイ」の方が筋肥大には有効と実証されています。


ゴールドジムメンバーなど筋トレマニアには「プロテイン摂取」はおなじみです。ゴールドジムにはプロテインバーもあるようですしね。

*バーと言っても食べるものではありません。ドリンクバーですね。

筋トレとプロテインの摂取はセットにすることで効果を発揮します。

「プロテインって・・・」と抵抗を感じる人もいると思いますので、
まずは「筋トレ前or後に牛乳を飲むこと」から始めましょう

RAO寛骨臼回転骨切り術。骨のズレ

RAOという手術を聞いたことがありますでしょうか?
Rotational acetabular osteotomy と呼ばれる手術で、寛骨臼回転骨切り術というものです。


「寛骨」とは、
骨盤の骨で、それを回転させる・・・

という手術です。 *人工関節ドットコム より


なぜそんなことをするのか?

大雑把にいうと、大腿骨と骨盤の関節(股関節)の適合を変える手術で、
関節面を広くとることで、
・今までの荷重と異なる場所へ荷重させる
・一点にかかる負担を分散させる

という目的があります。

要は、今後股関節の変形が進んでいきそうな方に対して行う手術になります。


そのような人のリハビリをすることが多いのですが、感じることがあります。

「手術直後から頑張りすぎじゃないか…?」

「筋を切り、骨を切るので、まずはそこの修復が優先事項ではないのか?」

手術してがっつりリハビリをしてからくるのですが、
まだ骨きりの骨が動いてしまっている人もいました。
しかし、お尻周りの筋トレをがっつりしてきている・・・
筋トレを自宅でも行えと言われてきている・・・

確かに、股関節周囲・お尻周りの筋肉は股関節の安定性を作る上で非常に重要です。
しかし、「寛骨を切っている」ので、そこがある程度しっかりしないと、筋収縮のやり方によっては、骨をくっつくのと逆、引き離す方へ刺激を与えてしまいます。
クライアントさんでも「お尻の運動すると、ずれる感じがする」と訴えていた人もいました。


手術様式が悪いと言っているわけではありません。

お尻の筋トレが悪いと言っているわけではありません。

現在、手術後何週でこの運動、何ヶ月でこの運動というプロトコル・スケジュールが管理されています。
それが、合わない人もいるということを認識した上で、プロトコルを確認するべきだと思います。

この手術の後の人に特に感じるので、書かせていただきました。

リハビリって効果あるの?

私はリハビリやコンディショニングに従事していますので、周りの人はリハビリの効果というものを実感し、理解している人が多いです。しかし、まだまだ「リハビリって効果あるの?」「痛いんでしょ?」という理解の人が多いと感じます。

では、リハビリの効果ってなんなのでしょうか?
効果としては

「直接的」

「間接的」

なものがあると思います。


「直接的」

骨折や靭帯損傷(捻挫)などを「直接」魔法を使って治すわけではありませんが、「人間の自然治癒」を阻害する因子を除去していく作業と促していく作業になります。例えば、骨折ですといい位置に整復され、そこで固定していたいとします。それがズレないように筋膜・骨膜への刺激を加えたり、周囲循環を改善させたり、適切な方向への圧刺激を加え、骨折の癒合を促進したりします。靭帯損傷でも同様で、捻ってしまった方向と同じ刺激が加わると、少しずつ周囲組織とくっついてきている靭帯を再度損傷させてしまうので、その方向への刺激がかからないようにテーピングで固定したり、誘導したり、防御反応のための神経–筋活動を促したりします。


「間接的」

上記と同様の例でいくと、骨折部・靭帯損傷部に負担がかからないように、周囲間接や他の部位で代償的にカバーできるように身体動作を作ったり、全身の循環を良くして治癒力を高めたりします。

しかし、間接的で一番効果があるのは、「現在痛みがある部位以外へのアプローチ」です。相当な急性外傷でない限り、痛みが生じる原因はそれ以前の身体の使い方にあります。そのため、そこへ負担がかかる癖や負担がかかってしまうようになっている身体自体を修正すると痛みがなくなるというわけです。よく「Tシャツ」で例えられますが、シャツの左下を下へ引っ張ると、右肩が上がりづらくなりますよね?その状態で右肩を上げ続けると、右肩を痛めてしまいます。

そりゃ上げづらい状態で無理して上げていますから・・・

その場合、肩の治療をしてもすぐ痛くなってしまうのはイメージつくと思います。左下を引っ張っているものをなんとかしないと・・・

それが間接的な効果です。


この仕事をしていると、普段の身体のケアってすごい大事なんだなと思います。身体の声を聞いて、身体のことを知ることが今後の予防になってきます

筋膜アプローチ

では、どの筋膜にアプローチしていくか?

まずは「筋外膜」が良いかと思います。
やはり最も深層にあり、筋肉の滑走と強く関与、そして深い筋膜ネットワークなので強い癒着、身体の多部位に影響を与えます。
その「筋外膜」の硬さとは??


「筋外膜」は多重層のある疎性結合組織で、ヒアルロン酸をその層の間や細胞間に含んでいます。硬さの原因は、そのヒアルロン酸が凝集化し、基質のゲル化することによって、筋膜の高密度化が生じてしまった状態です。そのため、解消するためには、

圧 + 摩擦(温度) + 時間 

が必要となります。


そのため、巷で売られているローラーなどよりかは、自分の手で押せれば温熱効果があるので良いかと思います。

もしくは、お風呂などで身体の温度があったまった状態で筋膜に対してアプローチしていくか。

運動後は深部体温が上がっていますが、ヒアルロン酸量も増えているので、微妙なところですかね。


筋膜に対する治療はかなり有効だと思います。

しかし、筋肉のバランスが非常に大切なので、やらないほうがいい場所というのも存在します。
本質的に硬くなっている部分ではなく、引っ張られるのを逆に支えるために引っ張って硬くなっている部分、要はバランスをとっている筋肉です。硬いからとそこの筋膜だけを緩めて、本質的に硬い部分をそのままにすると、「いい代償」を解除してしまうことになるので、逆に痛みが強くなってしまうので注意が必要です。

筋膜筋膜って言いますが

ちょっと前から、「筋膜」ってかなり聞くようになりました。
しかし一概に「筋膜」と言っても、いろいろな概念があるようです。
特に間違った情報などもあるので、正確な情報をまとめておきたいと思います。


「筋膜」

その名の通り、「筋の膜」と言うわけではありません。
「筋膜」を分けると

  • 浅筋膜
  • 深筋膜

に分けられます。


「浅筋膜」とは、真皮の下にある脂肪層を2つに分けるものです。役割として、

  • 深部の層に対する皮膚の可動性
  • 表在の血管と神経の保護
  • 外受容受容器と固有受容器の分離

が主に考えられています。

そのため、この「浅筋膜」とは筋肉を覆っているわけではなく、脂肪層を貫いています。


では「深筋膜」はどういったものでしょうか?

深筋膜は

  • 筋膜腱膜
  • 筋外膜

に分けられます
*筋膜腱膜=深筋膜、筋外膜と分ける考え方もあります。

ここで気がついたと思いますが、直接的に筋肉を覆っている膜というのは「筋外膜」ということになります。
*「外膜」なので「周膜」「内膜」というのもそれより深層にあります。

よく言われるイメージですと、筋組織をラップで包んだものが「筋内膜」それがいくつか集まって「筋周膜」、またまたいくつか集まって「筋外膜」を形成します。それらが集まって「筋膜腱膜」を形成していくと言ったところでしょうか?


巷に溢れている「筋膜リリース」「筋膜調整」とは、一般的には「筋外膜」に対してのアプローチのように感じます。ローラーのようなものや、指圧するようなもので、ゴリゴリって感じですよね?
よく、「Tシャツモデル」と呼ばれるような絵で筋膜の説明がされます。
「シャツの左の下にほつれや硬さが生じると、右の上まで動きが悪くなる」って感じですね。考え方自体は間違っていません。

しかし、ゴリゴリするやり方、場所を間違ってしまうと、効果がないばかりか身体を痛めてしまう可能性があるので気をつける必要があります。

腸を元気にする食事

腸を健康にするということは、腸内細菌の善玉菌を増やすということです。
それは、発酵食品、やはりヨーグルトがいいようです。
ロシアの「メチニコフ」という研究者は、一日に300〜500gのヨーグルトを食べることを推奨しています。
「メチニコフ」は「免疫食細胞説」でノーベル賞を受賞しており、
腸内の腐敗を防ぐため、老化を防ぐためには、ヨーグルトの中に含まれる乳酸菌により腐敗菌の働きを抑え込むことが必要と考え、老化と腸内細菌についての研究をした「動物・食細胞学者」です。


さらに食物繊維も重要となります。
「食べ物のカス」と呼ばれていたこともあります。
「吸収されない」栄養素であり、食感も悪いので、食物繊維は嫌われていました。それにより精製技術が向上してきました。《白いパンや白いご飯》

しかし、食物繊維の機能が再考され、現在では「第六の栄養素」としての地位を確立しています。
では「食物繊維」の何が腸に良いのでしょうか?


食物繊維は

  • 水溶性
  • 不溶性

の2種類があります
「水溶性」とは水に溶ける食物繊維です。
果物、野菜に多く含まれるペクチンや、こんぶやわかめなど海藻類に多く含まれるアルギン酸、生のこんにゃく芋に含まれるグルコマンナンなどが水溶性に分類されます。
水溶性食物繊維は水分保持力が強く、水に溶けるとドロドロのゲル状に変化します。そのため、栄養素の吸収を緩やかにして、血糖値の急上昇を防ぐ効果、コレステロールなどの余分な脂質を吸着し排出するなど、体への吸収を抑制する作用があります。また、腸の粘膜を守る効果、善玉菌を増やす効果もあるため、整腸作用があります。

「不溶性」とは水に溶けない食物繊維です。
胃や腸で水分を吸収し大きく膨らみます。これにより、便に腐敗物質を一緒に流したり、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便通を促進します。腸にとって不要になったものをデトックスしてくれる効果があります。


先述したように、昔は食物繊維を除去することに苦心していました。
そのため、精製技術が進み、今ではパンといえば白いパン、お米といえば白いお米となりました。
現在では、意識して食物繊維を取らないと不足してしまいます。食事には野菜やきのこ、海藻、豆類を多く取り入れるほか、お米は玄米にする、白米なら麦など雑穀を混ぜて炊く、パンは全粒粉に変えるなど、少しずつでも意識的に取り入れましょう。

腸内細菌による免疫機能

腸内細菌による免疫機能は非常に大切です。
腸管は外部とかなり密接な場所。食物を栄養として取り入れてる際に、
外部からの有害物質を排除する必要があります。
その為、腸管での免疫機能は全身の60%が集結しています。

免疫機能には
1:獲得免疫
2:自然免疫

があります。
腸内細菌による免疫は「2の自然免疫」の力となります。
「免疫」と言われると、インフルエンザの予防接種に代表されるように「1の獲得免疫」が有名です。
ウィルスなどの「抗原」が入ってきたら、「抗原」を分析し、それに適した武器である「抗体」を作って撃退する。それが1の獲得免疫です。
一方、自然免疫は、侵入してきた病原体や、異常となった自己細胞に対して、いち早く感知し、それを排除する仕組みです。
「獲得免疫」が分析し、抗体を作り出すのに時間がかかるのに対し、「自然免疫」は感知したらすぐ排除に向かいます。つまり免疫機構の最前線であり、主力となります。


「獲得免疫」の方が有名ですが、「自然免疫」がしっかりしていないと意味がありません。自然免疫は乳酸菌により活性化されます。
その為、腸内フローラが整っていないと、免疫機能が低下してしまうこととなります。


それだけでなく、免疫系のサイトカインは神経系・内分泌系も調整してくれます。腸の蠕動運動に反応して、神経伝達物質である「セロトニン」も活性化します。セロトニンは腸内に90%存在すると言われており、非常に重要な神経伝達物質です。他のノルアドレナリンやドパミンといった神経伝達物質をコントロールするので、「心を整える」作用のある伝達物質と言われています。


このように、腸内環境を整えると

⇨免疫機能が高まる

⇨神経系・内分泌系を調整し、全身の機能が高まる

となります。


腸は外部とかなり密接な場所であり、そこの機能が身体全身に及びます。
免疫を高めるためにはまず腸内から整えましょう。

腸内細菌を育てる

腸内細菌というと

・善玉菌
・悪玉菌
・日和見菌

の3種類があります。

善玉菌は、ビフィズス菌や乳酸菌で有名ですね。
作用として
ビタミンの合成・消化吸収の補助・感染防御・免疫刺激の作用があり、
「老化防止」「健康維持」を手助けしてくれます。

悪玉菌は、大腸菌やブドウ球菌、ウェルシュ菌が有名で、
腸内腐敗・細菌毒素の産生・発がん性物質の産生などの作用があり、
「健康阻害」「病気の引き金を引く」などの悪い作用を生じさせます。

日和見菌は、連鎖球菌などがあり、その時の腸内フローラの流れに従うという作用があります。つまり、善玉菌が多ければ善玉菌側、悪玉菌が多ければ悪玉菌がわにつきます。

その為、腸内フローラのバランスとして、
善玉:悪玉:日和見 = 2:1:7 が理想的と言われています。

産まれたばかりの赤ん坊は善玉菌が多いのですが、加齢とともに悪玉菌が多くなり、バランスを崩すようになってしまいます。


つまり、腸内フローラを2:1:3のバランスに保つことが重要となるわけです。

善玉菌は主に糖質をエサとし、発酵を促します。
悪玉菌はタンパク質をエサとし、腐敗を促します。

悪玉菌か善玉菌かどちらか優勢かを調べるのは、やはり便やおならが有効なようです。
便を採取して、顕微鏡で数を数える・・・というのは現実的ではないですよね?
善玉菌優位の腸内から排出される便は、便通がよく、一日にバナナ2〜3本ぶんくらいが理想のようです。腐敗も進んでいないので、匂いも少なく、色も赤ちゃんウンチのように黄色がかっています。

一方、悪玉菌が多いと、腐敗が進むので、匂いが臭くなり、便秘や下痢にもなりやすくなります。それだけでなく、日本国から難病指定されている「潰瘍性大腸炎」になるリスクも高まり、アレルギーの発生率も多くなるようです。


ウンチの量・質を気にかけ、腸内のお花畑を育みましょう。

*抗生物質は腸内細菌を攻撃し、フローラが破綻してしまうので、乱用しないようにしましょう

腸内フローラと腸の力

最近話題の腸内フローラです。

「フローラ」とは「お花畑」のことです。なぜ「腸内フローラ」と呼ばれるかというと、腸内を顕微鏡で覗くと様々な菌が群生していて、まるで「お花畑」のように見えるかららしいです。なんと600兆億以上の菌が生息しています。
以前より、腸内環境正常化と言ったりしていましたが、また最近話題を集めています。では、なぜ話題を集めだしたかを復習しましょう


まず、「腸」の力についてお話しします。
「腸」というと、消化器官ですね。
つまり、食べ物を消化し、身体にとって必要な栄養を吸収する機関です。
その消化器官ですが、白血球が集まっていることをご存知でしたか?
白血球というと免疫細胞ですが、「免疫」というと「血液中」のイメージが強いと思います。
よくよく考えると、「免疫」は外部からの異物に対して反応する機関です。
すると、食べ物を消化吸収するということは、外部からの物を取り入れるということなので、消化器官に免疫細胞が集まっていることは納得がいくと思います。
その数、およそ60%の白血球が小腸に集まっているということです。
免疫の最前線ですから当然の戦力集中でしょう。


「腸」は「外部の臓器」と言われることもあり、私もそう思います。
口〜肛門までは人間の中心に開いた管みたいなものです。
そこを食べ物が通り、消化吸収され、排泄します。
そこの管全体は外部と繋がっているわけです。


そのため、腸にある免疫機構がしっかり働いていると、体調を崩しづらいということもうなづけます。
イメージしやすいようにすると、
人間の身体を城壁に囲まれたお城としましょう。
城壁がしっかりしていると安心ですが、水や食べ物などを外部から取り入れなければなりません。
そのため、「門」があり、「門番」がいます。
門番が強ければ、招かれざる「外敵」が来てもやっつけることができます。
しかし、弱ければ・・・お城の中が蹂躙されてしまいます。

わかりやすかったですかね?

外部から栄養を取らなければならないので、ガードを甘くしているところが腸などの消化器官です。そのため、そこの門番である腸内細菌の力が非常に重要となるわけです。


よく言われる「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」はその腸内に住む細菌であり、門番の役割をしているというわけです。

パンコースト腫瘍

Pancoast tumor(肺尖部胸壁湿潤がん)

肺尖(肺の上の方、鎖骨部あたり)に生じるがんで、かなり発見・治療が難しいものです。湿潤がんとある通り、外へ湿潤するがんで、いろいろな症状を呈します。特に、頸の周りの神経に湿潤しやすく、腕に症状が出ることが多くあります。


湿潤がもたらす症状

頸部−肩にある腕神経叢(下位)の麻痺
肩・上肢の内側の痛みや痺れが生じます。また、神経損傷の症状となるで、腕が挙げづらかったり、指が握れなかったりとしてきます。進行していくと、c7/8/th1と下部頸髄・上部胸髄の神経症状が著明となるので、何かものを握ることができなくなります。
また、手の中指ー小指側にかけての激痛・腕の内側の激痛が生じるようになります。

ホルネル症候群(頸部交感神経節への湿潤)が生じると
眼瞼下垂
瞳孔縮瞳
発汗障害
らが生じます。

それらがまず生じ、パンコースト腫瘍が見つかることもあるので、
注意が必要です

 

 

「がん」とは

現在、日本人の死因の第一位となっているのは「がん」です。
2013年度の統計ですが、年間364,872人死亡しており、全体のなんと28.8%と1/4以上もの割合となっています。
しかも、医療技術の発達により、その中でも「治癒」している人も多くなってきておりますので、かなりの人が「がん」にかかると言っていいでしょう。

なんとなく、」高齢になればなるほどがんにかかりやすいというイメージがあるかと思いますが、その通りです。
女性はなだらかにがんの発症率が上昇していきますが、男性は60代以降から急激に増えます。しかし、前述したように治療技術が向上していますので、現在では10年生存率は58.2%となっています。


「がん」というものは難しく、
「研究すればするほど、わからないことが増えるもの」と言われています。*立花隆 日本がん治療学会招請講演(2009)


「がん」は徐々に進行していく病気として知られています。
「国立がん研究センター」では

*国立がん研究センターのホームページより抜粋

と紹介しており、
「転移・浸潤」まで行ってしまうと、延命はできるが、治癒は難しいという状態となってしまいます。

では、なぜ「がん」で死亡してしまうのでしょうか?


「がん」にまつわる死亡は、治療中によるものとして

  • 外科手術による死亡
  • 放射線療法の有害事象による死亡
  • 抗がん剤治療の有害事象による死亡
  • 二次性の障害(代表例は廃用症候群)による死亡

などが上げられます。これらは治療による死亡です。
「がん」そのものの影響によるものは、

「消耗死」
:がん細胞はエネルギー消費が大きく、筋肉内のATPを大量に消費します。そのため、正常細胞に必要なエネルギーが足りなくなります

「重要臓器の機能低下による死亡」
:がん細胞が正常細胞に取って代わるため

「麻痺・阻血・窒息」
:腫瘍により神経・血管・気管などを押しつぶし、交通を遮断するため

「失血死」
:腫瘍の崩壊による大出血(腫瘍は栄養血管が多いが、構造的に弱い

「感染症による死亡」
:がん細胞から産生されるサイトカインの働きでの免疫力低下

これらのような「実際の死亡・身体的死亡」だけでなく、

心理的死亡:絶望・意気消沈

社会的死亡:関係性の喪失・見捨てられた感

スピリチュアルな死亡:生きがいの喪失・生きる意味のなさ

など、「死んだように生きている状態」となってしまうこともあります。


まずは「がん」というものをしっかり知った上で、
今後のことを考えるということが重要です。

次にがんによる症状と痛み、治療法について書いていきます

テンセグリティ

テンセグリティ構造とは、建築界から生まれたもので、

  • 共通の柱や壁のような連続的圧縮力に頼らずに、主に構造全体に織り込まれた連続的張力のバランスにより統合性が維持されている状態。 と言われています

ポイントとして

    ・外からの支持がなくても自立保持できている
    ・張力と圧縮力が絶妙なバランスを保っている

・中心がどこにもなく、全ても棒が交わらない構造 です。

 

「支柱」とかではなく、すべての構造全体で支えているという状態です。

で、それは人体の構造も同様です

そのため、
「力は局在するのではなく分散される」

「安定性は低いが、弾性は大きい」

という特徴が見られます。

例えば、ジャンプしようとしてしゃがみこんだとしましょう。
この時、足裏だけに力がグッとかかるのではなく、身体の後面全体に弾性エネルギーが分散され、溜められます。それを一気に放出すると大きなジャンプが可能となります。
この時に、顎を上げた状態でしゃがみこむと、頭からは身体後面が縮む圧縮力となり、全体が伸びる刺激ではなくなります。
顎を引いた状態と顎を上げた状態でジャンプすると、顎を引いた状態からの方が高く飛ぶことができます。

普段の動作では、

  • 地球に引っ張られる力
  • 地面から受ける反力

がかかっています。

これらを全体的に吸収できているか?特定の場所に負担が集中しているか?
ということは傷害を受けるリスクが異なります。


      人体はテンセグリティ構造ですが、「脊柱」という柱が中心に立っています。

 

また、「股関節」を支えにして左右それぞれ利用している人もいます。そのためそれらの構造物に頼りすぎてしまうと、脊柱・股関節の柔軟性を失ってしまいます。

    身体の使い方を
    「構造的に頼るのか?」
    「全身の筋膜を利用するのか?」
    で負担のかかり方は違いますので、柔軟で吸収できる身体を作っていけるようにしましょう。

筋膜の機能

さて、筋膜は可逆性があり、全力で衝撃吸収をしてくれます。
しかし、それには限度もあります。

イメージでわかりやすいのが、スーパーやコンビニの袋です。
引っ張るとビヨーと伸びます。(筋膜だとここまでだと元に戻ります。)
しかし、強く勢いよく引っ張ると切れてしまいます。
さしもの筋膜も切れてしまうと損傷してしまいます。
そうなる前にリリースし、リセットしたいものです。


その筋膜が牽引刺激(引っ張られるような刺激)を感じ、または、圧縮刺激(潰されるような刺激)を感じ、全身に伝わるのはなんと神経系の3倍の早さと言います。
また、「遅い知覚」にも作用し、持続的な刺激に対して、はるかに遅いスピード、数日からなんと数年かけて全身に広がっていくということもあるようです。

膝の怪我をしてから数年経ってから、足首が痛くなる、場合によっては反対側の肩が上がらなくなるなどが生じます。
まぁこのような現象は、筋膜のせいなのか?怪我後に代償的に足首を使いすぎたり、姿勢が悪くなったりするせいでもありますが・・・・。
しかし、肩の痛みに対して膝を治療してよくなるのであれば、膝の影響で肩が上がらなかったと言ってもいいと思います。


このように、全身的に筋膜が影響している、筋膜によりバランスを取っているという構造を「テンセグリティ構造」と言います。
テンセグリティというと、以前書いた「ロルフィング」の人たちがベースにしている考え方です。

実際に、対面して治療していると、全身のネットワークというものを強く感じるようになります。また、それを感じれる人・感じれない人がいますが、感じれる人の方が治療効果も高く、今後の再発のリスクも低くなります。


「自分の身体のこと」を知ることは、

身体の使い方を学ぶことだけでなく、

現在の自分の身体の状況を感じ、組織の損傷を未然に防いだり、

心−身体のバランスをとることも可能にします。

「自分の身体を知るための授業」

が、小中学校から「教科」として教育されていけば、
医療費の削減だけでなく、スポーツ分野での活躍も期待できるようになると思うのですが・・・

筋膜って??

最近なにかと話題の筋膜
ですが、かなり昔から治療家の間では治療ターゲットとされていました。

特に、「ロルフィング」という主義ではず〜〜〜〜〜っと

「筋膜を整えます」
「筋膜の歪み・硬結が多部位に影響を与えています」

と言っていたのですが、「ロルフィング」・・・知っている人は少ない・・・
コマーシャル下手なのか、わざとそれほどアピールしないのか・・・


まぁそれはそれとして、
「筋膜」というと色々な説明がされますが、
広義では

「結合組織全体を含むネットワーク」のことを言います。私もこの考えです。

人間には4つの細胞に分化されます

  • 上皮細胞
  • 結合組織細胞
  • 筋細胞
  • 神経細胞

それぞれが機能特化しており、結合組織細胞は

  • コラーゲン
  • エラスチン
  • レクリチン(未熟なコラーゲン)

そして

  • 細胞外マトリックス

となります。

わかりづらいのを承知で

上記のようなネットワーク(マトリックス)により、「人間」という形を型どります。その中で、無機塩・炭酸カルシウム・リン酸カルシウムで「骨」を型どります。(ここまでは結合組織によるもの)

その上に、筋細胞や上皮細胞・神経細胞を設置していくイメージです。

あくまでベースは結合組織細胞・細胞外マトリックスというわけです。


ちなみに、細胞外マトリックスは、プロテオグリカンで構成されており、

「運動と重力のストレスを分配している」

これかなり重要です。特に治療家にとっては!

身体にかかる負担をどこで支えるか?の考えが違えば治療方針も変わってきますから。


それはそれとして、

これらの理由からも「筋膜をリリースしましょう」とはかなり有用なアプローチです。
適切に、適宜筋膜の負荷を減らしていければ、「運動と重力のストレスを分配している」ものをリセットできることになります。

するとその先の骨や靭帯(結合組織でもあるが)、靭帯への負荷が減少します。
細胞外マトリックスは「可逆的」なので、負担がかかったら取ればいいい。

しかし、骨は一旦変形してしまうと「不可逆的」なので、修正はできなくなります。


適切に、適宜、筋膜リリースを行うようにしましょう。

 

マイクロフラクチャー手術後のリハビリテーション

膝の「マイクロフラクチャー手術後のリハビリテーション」は一般的な膝の手術後のそれとは大きく異なります。

なぜか・・・

軟骨部にドリルで多数の穴を開ける作業をしているためです。

そのため、術後は関節への荷重をゆっくりと、かつ控えめに導入していく必要があります。この手術自体が新しい方式のため、まだまだ先行研究が少ないのが現状です。


まずは、組織の再生過程を知ることが重要です。一般的に

  • 増殖期(術後1〜4週)
  • 変遷期(術後4〜12週)
  • リモデリング期(術後12〜24週)
  • 成熟期(術後24〜70週)

となります。

組織再生の各段階の長さは、損傷部位の大きさや個人の治癒過程によって異なりますが、上記の再生過程を参考に行なっていきます。


増殖期

ポイントは2つ

  • 適切な膝関節が動く範囲を再獲得し、筋肉による膝のコントロールを再学習すること
  • 修復部位に栄養を送り込み、組織の治癒を促す

そのために、膝周囲に生じている「腫脹」や「浮腫」をできるだけ早期に除去する必要があります。膝蓋骨の動きの改善(膝蓋大腿関節も手術している場合は、膝蓋骨の動きは慎重に行う)や、周囲の循環改善、癒着の除去がメインになります。また、体重負荷も徐々に行います。

膝以外の部位では、患部に体重をかけて使うことがなくなるため、「足」「股関節」「体幹」の機能低下や変な癖がついてしまいやすいです。そのため、「足」「股関節」「体幹」に対してトレーニングを行い、周囲関節の廃用予防、全身・周囲関節から膝への循環改善、を図っていきます。


変遷期

ポイントは2つ

  • 荷重運動・歩行動作の再獲得
  • 膝周囲筋の協調的な働きを再獲得

「増殖期」にどれだけ意識してトレーニングしても、「膝周囲の腫脹・浮腫による協調性の低下」や、「荷重して歩行していなかったための感覚低下」が生じます。特に、膝関節周囲の固有感覚を取り戻せるように、神経−筋の再教育をしていきます。特に、固有感覚は膝のズレを感知したり、バランスをとったりするために非常に重要です。この感覚が取り戻せないまま、負荷量を高めていくとサイド膝を痛めてしまう可能性があります。「早く治さなきゃ」と焦らず、無理な負荷量をかけないようにしましょう。


リモデリング期

この時期のポイントは
「新しいコラーゲン線維が再構築され、強度と耐久性が向上する時期」
ということです。

変遷期からのプログラムに負荷量の増加や、スプリント・ダッシュストップ・方向転換などを加え、徐々に競技復帰段階へと移行していきます。


「成熟期」

競技復帰への本格的な負荷を加えていきます。

  • 術側・非術側との左右差
  • 周囲関節とのバランス
  • 筋肉の反応
  • 変な癖がついていないか
  • 本人に違和感がないか

などを見ていきます。

膝への負担から逃げる人

だけでなく、

膝を過剰に使おうとしてしまう人も多いので注意が必要です。